ストレージ/メモリカード市場をけん引するリムーバブル性：産業／自動車分野で有望（2/4 ページ）

[Gary Hilson，EE Times]

リムーバブルカードの容量／性能向上をビデオがけん引

　Micronの産業部門担当ディレクターを務めるDave Henderson氏は、「i400は、業界初となる高密度を実現したことにより、ビデオが広く使われている産業セグメントにおいて、ユースケースの普及を促進していくことを目指す。Micronのリテンション（データ保持）関連の開発や、順次読み出し／書き込みの最適化などによるメリットを享受することができる」と述べる。

　また同氏は、「AI／アルゴリズムによるカメラからの情報処理アプローチが市場で活発化するなか、24時間365日の連続データ記録を実行できること、一部のAIトリガー／アクティビティーで使われる効果的なメタデータを収集できることは、どちらも重要な要素だ」と述べる。

　「SDカード市場の中で最も規模が大きいのは民生分野だが、産業分野やドローンの成長なども、SDカードスロットにとってはチャンスに満ちあふれている。例えばセキュリティや法的措置、車両管理など、カメラでビデオを撮影するというシナリオがあるものはほぼ全て、リムーバブルフラッシュメモリカードにとってのチャンスといえる」（Henderson氏）

　さらに同氏は、「こうしたデバイスは、性能の向上に伴い、リアルタイムのフィードバックや、内部で発生するアクティビティーの分析なども実行できるようになってきた。現在ではこのような分析の中に、検知や分類、警告、文脈分析などを実行する、高性能AIアクティビティーが含まれている。こうしたアクティビティーは確実に成長を遂げており、そこに関与するビデオには、SDカード向けのチャンスが広がっていると考えられる」と付け加えた。

Micronでオートモーティブシステムアーキテクチャ・セグメントマーケティング部門担当シニアディレクターを務めるRobert Bielby氏 出所：Micron Technology

　Micronでオートモーティブシステムアーキテクチャ・セグメントマーケティング部門担当シニアディレクターを務めるRobert Bielby氏は、「i400のビデオ機能については、自動車市場に話が戻る。自動車全体にカメラを搭載するという基準を設定したのは、Teslaだ。そして他の自動車メーカーも、例えば衝突時に保険に対応できるようにするためなど、さまざまな理由で走行時のあらゆる状況を記録するデジタルビデオ録画機能を自動車に搭載するというアイデアを取り上げた」と述べる。

　Bielby氏は、「録画データを保険会社に引き渡すことができれば、保険会社が映像を再生して、何が起こったのかを正確に把握することが可能になる。最終的にはクラウドに保存することになるだろうという議論もあるが、SDカードは非常に扱いやすい。今後、メモリやストレージの耐久性要件を明確に把握しないまま、さらに多くのアプリケーションが自動車にダウンロードされるようになるのは避けられないだろう」と指摘する。