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Intel、6GHz CPUを23年にリリースへ、Intel CEOが明かすIntel Innovation 2022基調講演

IntelのCEO(最高経営責任者)Pat Gelsinger氏は2022年9月27日(米国時間)、米国カリフォルニア州サンノゼで開催したイベント「Intel Innovation 2022」において基調講演を行い、同日発表した第13世代「Core」プロセッサファミリーなどを紹介。さらに、「2023年初旬には、史上初めて動作周波数6GHzを達成するSKUを、限定数量でリリースする」と明かした。

» 2022年09月28日 09時30分 公開
[永山準EE Times Japan]

 IntelのCEO(最高経営責任者)Pat Gelsinger氏は2022年9月27日(米国時間)、米国カリフォルニア州サンノゼで開催したイベント「Intel Innovation 2022」において基調講演を行い、同日発表した、第13世代「Core」プロセッサファミリーを紹介したうえで、「2023年初旬には、史上初めて動作周波数6GHzを達成するSKU(Stock Keeping Unit)を、限定数量でリリースする」と明かした。

「史上最速、最高」のデスクトッププロセッサ

基調講演で登壇したIntelのCEO(最高経営責任者)Pat Gelsinger氏[クリックで拡大] 出所:Intel

 第13世代Coreプロセッサは、「Raptor Lake」の開発コードネームで呼ばれてきた製品で、まずデスクトップPC向けを同年10月から発売する。

 第13世代Coreプロセッサは、ハイブリッドアーキテクチャを採用した第12世代Coreプロセッサの改良版で、アップグレード版「Intel 7」プロセスノードの採用やPコア(高性能コア)の強化、L2およびL3キャッシュメモリの増量、Eコア(高効率コア)の強化/搭載数の倍増などによって性能を向上したというもの。

 第12世代Coreプロセッサとの比較では、シングルスレッドで15%、マルチスレッドで41%の性能向上を実現しているという。Gelsinger氏は、同製品について「われわれのハイブリッドアーキテクチャのPコア/Eコア両方の利点を生かしたもので、史上最速、最高のデスクトッププロセッサだ」と強調していた。

第13世代「Core」プロセッサファミリーの特長について[クリックで拡大] 出所:Intel

 Pコアは前世代の「Golden Cove」の改良版である「Raptor Cove」コアに変更となり、動作クロックが向上。フラグシップ品である「Core i9-13900K」では最大クロックが5.8GHzとなった。Gelsinger氏は、「最大5.8GHzという驚異的なクロックスピードを誇るi9-13900Kによってこれまでで最高のゲームストリーミングとレコーディングを体験できるだろう」と語った。

 同氏はさらに、この第13世代Coreプロセッサとして、2023年初旬に動作周波数6GHzを達成する製品を限定数量でリリースすることに言及。「これは業界初であり、クライアントコンピューティングにとって大きなマイルストーンとなる。私は、初めて1GHzを超えたときのことを昨日のことのように覚えているが、6GHzというのは、まさに画期的なことだ」と述べた。

動作周波数6GHzのCPUリリースについて言及するGelsinger氏[クリックで拡大] 出所:Intel

Intel 18Aのテストチップ、22年中にテープアウト

 また、講演の中でGelsinger氏は製造関連の戦略である「IDM 2.0」について「核となるのはもちろん、ムーアの法則だ」と言及。「私はもう何年も『ムーアの法則は死んだのか』という議論をしてきたが、その答えは『ノーだ』」と強調したうえで、「RibbonFET(リボンFET)」や「PowerVia(パワービア)」という新技術や高NA(開口数)EUV(極端紫外線)リソグラフィーおよび2.5D/3Dなどの先進パッケージ技術によって、「1つのパッケージに実装するトランジスタ数を現在の1000億個から、2030年までに1兆個へと拡大することを目指している」と述べた。

 さらに、「この挑戦的な戦略は予定通り、あるいは前倒しで進んでいる。われわれは通常、1プロセスノードに2年かかるところ、4年で5つのプロセスノードを開発する」と説明。「われわれが確固たるリーダーシップを確立するカギとなる『Intel 18A』のPDK(Process Design Kit)バージョン0.3は既に開発者の手にわたっており、2022年末までに最初のテストチップがテープアウトする予定だ」とその進捗を明かした。

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