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老後を生き残る戦略として「教祖(仮)」になってみた「お金に愛されないエンジニア」のための新行動論(7)(1/10 ページ)

前回に続き、老後の生き残り戦略の一つとしての信仰を考えてみます。今回、私は「教祖(仮)」となり、「教祖ビジネス」についてさまざまな角度から検討してみました。

» 2022年09月30日 11時30分 公開
[江端智一EE Times Japan]

今回のテーマは、すばり「お金」です。定年が射程に入ってきた私が、あらためて気づいたのは、「お金がない」という現実でした。2019年には「老後2000万円問題」が物議をかもし、基礎年金問題への根本的な解決も見いだせない中、もはや最後に頼れるのは「自分」しかいません。正直、“英語に愛され”なくても生きていくことはできますが、“お金に愛されない”ことは命に関わります。本シリーズでは、“英語に愛されないエンジニア”が、本気でお金と向き合い、“お金に愛されるエンジニア”を目指します。⇒連載バックナンバー



宗教団体の設立も「起業」だ

 前回のコラム『老後を生き残る「戦略としての信仰」は存在するのか』では、お金に愛されないエンジニアの老後戦略としての、宗教教団への入信について検討しました。

 しかし、検討の結果、私が入信したくなるような教団は、現時点では存在しないことが分かりましたし、そもそも、私、『他人の教えに従う』というのが苦手です。で、前回のコラムの最後で、

江端:「なるほど。とりあえず、私は、カルト教団をたたきつぶすために、別のカルト教団を立ち上げればいいんですね。それでは、これから、その方向で検討を始めます」

というようなことを言いました。

 それから、ここ1カ月、宗教団体の設立を、真面目に考えていました。仮に、私が、定年退職後に、再就職しようとして、全ての会社から断わられた時は、起業するか自営するかしかありません ―― が、私には、自宅のパソコンに向かって、外注仕様書を読みながら、老眼鏡をかけなおしつつ、ひたすらコーディングしている自分の姿くらいしか、思い浮べることができません。

 とすれば、残る選択肢は「起業」ですが、『私に何ができるかなぁ?』と考え込んでしまいました。そんな時、ふと『宗教団体の設立も、”起業”だよなぁ』と気がついたのです。

 宗教の目的は、「人を幸せにすること」ですから、私の退職後に、私が私と嫁さんの食い扶持を稼ぐことは、「私が、私を幸せにすること」といっても良いでしょう。

 起業した会社の失敗率は5年以内で約9割といわれています(最近のデータでは14%程度という話もあり、よく分かりません)。ところが、日本には、宗教法人が18万以上あり(法人格を含まないものも含めれば、もっとあるかもしれませんが、この数は分かりませんでした)、宗教法人が失敗した、という話は、あまり聞いたことがありません*)

*)宗教法人法によって、強制的な、解散命令(第81条)が出されたのは、私が知る限り、あの「オウム真理教」だけです。単純に、債務不履行(借金が返せない)で、破産した宗教団体もあるようですが、今の日本の会社の倒産数(月間500件)ほどは多くないでしょう。

 そこで、今回のコラムでは、前回のコラムの最後で宣言した「新しい宗教団体を立ち上げて、自ら教祖になる方法」について検討してみたいと思います。



 こんにちは。江端智一です。今回は、前回の「戦略としての信仰」から、今回は、「お金に愛されないエンジニア」の、老後を生き残る「戦略としての教祖」を考えてみたいと思います。

 教祖といえば、人格者、カリスマ、君子、聖人、高徳、聖人君子……というイメージがありますが、最近は、そういう思い込みにしばられる必要はなさそうだ、と、気がついてきました。私(江端)より下品で、無知性と断言できる人物が、がっちり教祖をやっているからです(例えば、守護霊にインタビューする教祖の話「低能テロリスト」である教祖の話)。

 なんでこんな奴が教祖やっているんだ?と疑問に思っていた時に、一つの考えに至りました。宗教団体というのは、教祖の資質だけが問われるのではなく、教祖と信者との共依存関係が前提となっているのかもしれない、ということです。

 以前、量子コンピュータのところでも書きましたが、

まっとうな宗教団体は、量子の話を持ち出したりしませんが、頭の悪い ―― 特に頭のイカれた教祖と、それを信奉する無知性な信者からなるカルトな宗教団体に、この傾向が顕著に見られます(関連記事:「量子もつれ 〜アインシュタインも「不気味」と言い放った怪現象」)。

 もし、この仮説が真だとすれば、私が教祖になるためには、きちんとした「”信者”市場」のマーケティングと、緻密(ちみつ)なビジネス戦略を考えなければならない ―― そして何より、私は、「教祖や信者をバカにするような言動や考え方を、ここできっぱりと捨てなければならない」と思いました。

 謙虚に、冷静に、そして、真剣に、宗教というビジネス ―― 宗教団体の手続き、教義の作成、教団の運営、そして、信者の獲得方法 ―― を、考える必要があるのです。

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