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政投銀や伊藤忠出資ファンドら、オンセミ新潟工場を買収へ「日本の国際競争力強化」へ

日本政策投資銀行や伊藤忠商事が出資する投資ファンド、マーキュリアホールディングスは2022年11月1日、同社中核会社のマーキュリアインベストメント(以下、MIC)含む3社が、onsemi子会社であるオン・セミコンダクター新潟との間で、新潟工場(新潟県小千谷市)買収について合意した、と発表した。

» 2022年11月01日 21時12分 公開
[永山準EE Times Japan]

 日本政策投資銀行や伊藤忠商事が出資する投資ファンド、マーキュリアホールディングスは2022年11月1日、同社中核会社のマーキュリアインベストメント(以下、MIC)含む3社が、onsemi子会社であるオン・セミコンダクター新潟との間で、新潟工場(新潟県小千谷市)買収について合意した、と発表した。

 買収するのは、MICと産業創成アドバイザリー(以下、SSA)、福岡キャピタルパートナーズ(以下、FCP)の3社(以下、買い手グループ)で、買い手グループそれぞれが運営する投資ビークルなどを通じ、オンセミ新潟から、同社事業を承継するJSファンダリ新潟の株式を取得する。

 マーキュリアホールディングスは、近年のファブレス企業の増加によりファウンドリー事業が「半導体市場の成長を上回って拡大することが見込まれる」とし、今回の買収について「こうした市場需要、顧客ニーズに対応して、半導体分野で日本初の独立系スペシャリティファウンドリーを創出するものだ。引き続き買手グループは一丸となり、アナログおよびパワー半導体分野における日本の国際競争力の強化に注力する方針だ」と説明している。

 onsemiの新潟工場は、2011年に三洋半導体の買収によって獲得した製造拠点だ。買収後は製造能力を拡張し、2014年からonsemi製品など旧三洋半導体グループ以外の半導体製品についても生産を始めたていたが、2020年8月、ファブ・ライター(Fab-Liter)製造戦略の一環として、同工場の売却検討を発表した。

 新潟工場は、8インチウエハー対応で、敷地面積が約16万m2、床面積約10万2000m2の建屋があり、約2万m2のクリーンルームを備える。また、自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格である「IATF 16949」に適合している。同社Webサイトによれば、現在、5インチおよび6インチウエハーを用い、BCD、BiCMOS、CMOSプロセスによる半導体を製造している。マーキュリアホールディングスは、同工場が「自動車を含む多方面の産業において欠くことのできないアナログおよびパワー半導体の供給に責任を持つ」と述べている。

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