田中貴金属工業は、半導体の検査工程で用いるプローブカードやテストソケットのプローブピンに向けた新合金「TK-FS」を発表した。
田中貴金属工業は2023年4月、半導体の検査工程で用いるプローブカードやテストソケットのプローブピンに向けた新合金「TK-FS」を発表した。
同社はこれまで、半導体パッケージの検査工程に用いられるポゴピンタイプのコンタクトプローブピン向けに、パラジウム(Pd)系素材を数多く販売してきた。新たに開発したTK-FSは、ポゴピンタイプに加え、ウエハーテスト用プローブカードのカンチレバータイプやバーチカルタイプといったプローブピンにも対応できる材料である。
TK-FSは、「高硬度」で「低電気抵抗率」「高屈曲性」という3つの機能を同時に達成した。具体的には、ビッカース硬さが500以上で、電気抵抗率は7.0μΩ・cm以下、繰り返し折り曲げ耐性は10回以上である。これらの機能を達成したことにより、同一材料でさまざまなタイプのプローブピンに適用することが可能になった。
田中貴金属工業は今後、既存のプローブピン用製品をTK-FSに切り替えていく。これによって、TK-FSの出荷量を2028年までに既存製品の2倍にする計画である。
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