デンソーは、ユナイテッド・セミコンダクター・ジャパン(USJC)の300mmウエハーラインで製造したIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)の出荷を始めた。
デンソーは2023年5月10日、ユナイテッド・セミコンダクター・ジャパン(USJC)の300mmウエハーラインで製造したIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)の出荷を始めたと発表した。
USJCは、台湾UMC(United Microelectronics Corporation)が2019年9月に旧三重富士通セミコンダクター(三重県桑名市)を買収して誕生した半導体製造委託メーカーである。デンソーとUMCおよびUSJCの3社は2022年4月に、IGBTの生産で協業することを発表。これを受けてデンソーとUSJCは、2023年上期の生産開始に向け、300mmウエハーを用いて製造する新ラインの準備を進めてきた。
電動車向けのモーター制御用インバーターに搭載されるIGBTなどのパワー半導体は、電力損失の低減や小型化が求められる。このためデンソーは、ダイオードと一体化した次世代IGBTを新たに開発した。ダイオードを別チップで接続する従来型のIGBTに比べ、エネルギー損失を最大20%も削減できるという。この次世代IGBTを新ラインで量産する。
300mmウエハーを用いたIGBTの製造は、「日本の半導体ファウンドリー企業としてUSJCが初めて」という。200mmウエハーでの製造に比べ、より高い生産効率を実現できる見通しだ。USJCでは、2025年に月産1万枚の生産量を目指している。
なお、USJC三重工場で行われた出荷式典には、デンソーの有馬浩二社長やUMCのJason Wang共同社長、USJCのS F Tzou会長ら会社幹部のほか、一見勝之三重県知事や伊藤徳宇桑名市長らも出席した。
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