神戸大学と国際電気通信基礎技術研究所(ATR)、デンソーテンの3者は、車両の軽量化などを可能とする「車載ワイヤーハーネスレス統合技術」を開発し、その有効性を確認したと発表した。
神戸大学と国際電気通信基礎技術研究所(ATR)、デンソーテンの3者は2023年3月、車両の軽量化などを可能とする「車載ワイヤーハーネスレス統合技術」を開発し、その有効性を確認したと発表した。
自動運転への対応などが進む自動車は、搭載する電子機器が増え、これらを接続するために用いるワイヤーハーネスの本数や重量の増加が課題となっている。燃費の悪化やコスト高などに直結するからだ。
そこで今回は、車載システム間で通信を行うために用いるワイヤーハーネスを、無線通信に置き換えることにした。無線通信方式は、短パルスで電波干渉に強いUWB(超広帯域)を用いた。電波の干渉を防ぎ、無線通信間の混線を抑える独自の無線通信アルゴリズムも開発し採用した。
無線通信で不具合が発生した場合の対策として、有線通信でバックアップする冗長アーキテクチャを採用した。有線通信は、電源線を用いてデータを伝送する電力線通信方式「PLC(Power Line Communication)」である。これにより、無線通信が正しく機能しなくなっても、PLC網を活用しネットワークを構成。接続された車載機器が連携して正常動作することが可能となる。
研究グループは、ヘッドランプやワイパーなどボディ系ワイヤーハーネスを対象に無線への置き換えを検討してきた。実証実験では、屋内の試験室に設けた路面走行環境を再現するシャーシダイナモを用い、さまざまな走行状態で通信状況を計測した。この結果、UWB/PLCのいずれも、車載システムで求められる通信品質であることを確認できたという。
神戸大ら、FePd/Gr界面状態を第一原理計算で予測
ハロゲン混合型ペロブスカイトの構造変化を観測
走行中車両のタイヤに給電する新技術を開発、東大ら
2nm世代の国産化へ、国内8社出資の製造会社Rapidus始動
デンソーとUSJC、300mmラインでのIGBT製造に向け協業
デンソーがTSMC熊本工場に400億円出資Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
記事ランキング