アナログ・デバイセズ(ADI)は、米国オレゴン州ビーバートンの半導体ウエハー工場を拡張するため、10億米ドル以上の設備投資を行う。工場拡張により生産能力を拡大するとともに、温室効果ガスの絶対排出量を大幅に削減する。
アナログ・デバイセズ(ADI)は2023年7月26日(米国時間)、米国オレゴン州ビーバートンの半導体ウエハー工場を拡張するため、10億米ドル以上の設備投資を行うと発表した。工場拡張により生産能力を拡大するとともに、温室効果ガスの絶対排出量を大幅に削減する。
今回の設備投資により、ビーバートン工場のクリーンルーム面積は、約1万960m2に拡張される。これによって、テクノロジーノード180nm以下の製品で、社内製造できる能力は倍増するという。それに伴い、オレゴン州におけるADIの従業員数も、現在の約950人から、大幅に増える見通し。さらに、温室効果ガスの絶対排出量を約75%削減、水使用量原単位も約50%削減する目標を掲げた。
ビーバートン工場では、産業機器やオートモーティブ、通信システム、コンスーマ機器、ヘルスケア機器などに向けた製品を量産していく。また、約25人の学生グループを対象に、技能開発トレーニングセンター「Semiconductor Advanced Manufacturing University(SAMU)」を主催する予定である。半導体装置のメンテナンスに関する8週間のトレーニングコースを提供する。
ADIのCEO兼会長を務めるVincent Roche氏は、ビーバートン工場への投資について、「重要な業界向け製品の生産能力を増強し、『CHIPS(CHIPS and Science Act)法』の構想に沿って国内製造を強化し、ADIのハイブリッド製造モデルのグローバルなレジリエンスを強化する」とコメントした。米国内での半導体開発および量産、AI、量子コンピュータ、通信技術などの投資を支援する法案「CHIPS法」を最大限に活用する。
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