テレビ用液晶パネルでは、コントラスト比を高める技術の開発が進んでいる。一つは「ローカルディミング」技術、もう1つは「デュアルセル」技術である。
「ローカルディミング」とはバックライトLEDを複数のセグメント(ゾーン)に分割して駆動する手法を指す。コントラスト比の向上と、バックライトによる消費電力の削減という2つの利点がある。もちろん、バックライトの制御は複雑になる。
セグメント(ゾーン)の数を増やせば増やすほどローカルディミングの効果は高まる。パッケージLEDではおよそ数百ゾーンまでだったが、ミニLEDでは数百ゾーンから数千ゾーンに増加した。マイクロLEDでは数千から数万のセグメント数を容易に実現できる。
ローカルディミングの利点を極限まで高めてOLEDに近い画質を狙うのが「デュアルセル」技術である。通常のカラー液晶パネルと直下型バックライトの間に、白黒液晶パネルを挟んだ構造をしている。LEDアレイを分割駆動するローカルディミングよりも、はるかに多くのセグメント数(ゾーン数)を実現する。
例えばカラー液晶パネルの解像度が4K(3860×2160画素)の場合、白黒液晶パネルの解像度はFHD(Full High Definition)(1920×1080画素)にする。すると1920×1080イコール207万3600セグメント(ゾーン)のローカルディミングが原理的には可能になる。
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