メトロウェザーは「CEATEC 2023」にて、風況予測を行えるドップラーライダーを展示した。同製品は小型かつ低価格であることが特長で、「CEATEC AWARD 2023」のスタートアップ部門でグランプリを受賞している。
メトロウェザーは「CEATEC 2023」(2023年10月17〜20日、幕張メッセ)にて、風況予測を行えるドップラーライダーを展示した。同製品は小型かつ低価格であることが特長で、「CEATEC AWARD 2023」のスタートアップ部門でグランプリを受賞している。
メトロウェザーは京都大学発のスタートアップで、風況予測を行うためのドップラーライダーを開発している。
メトロウェザーのドップラーライダーは、大気中を漂う微粒子(エアロゾル)に赤外線レーザーを照射してそこからの散乱光を受信し、ドップラー効果による信号周波数の偏移を観測することで風向や風速を算出する。観測距離は1台で最大半径約15kmで、間隔を空けて複数台設置することでより広範囲を観測するという使い方もできる。受信信号にはノイズが多く混ざってしまうため、他社の小型製品の観測距離は半径5〜7kmほどだが、メトロウェザーではノイズを取り除いて必要なデータを取り出すというコア技術によって、長距離の観測が可能になったとしている。
また、観測距離が同等の他社製品と比較すると小型で、価格も抑えられているという。
ドップラーライダーによる風況予測は、ドローンの最適な航路を割り出す際や風力発電所の事業計画を検討する際に重要となる、いわば「空のインフラ」だ。メトロウェザーはNASAのSBIR(Small Business Innovation Research)プロジェクトに採用され、2台のドップラーライダーが米国バージニア州に設置されて風況予測を行っている。また、風況予測以外で問い合わせが多い用途は空中の物体検知で、技術開発を始めたところだという。
CEATEC AWARD 2023の受賞理由について、ブース担当者は「エアモビリティー社会のインフラとしても、風力発電にも役立つ。そうした社会貢献性が評価されたのではないか」とした。
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