2023年第3四半期における全世界のモバイルネットワークのデータトラフィックは、前年同期比で33%増加し、月間総データトラフィックが約143エクサバイト(EB)に達した。
エリクソンの予想では、世界のモバイルデータトラフィックは今後も増加し、2029年には、FWAで生成されたトラフィックを除く世界のモバイルデータトラフィックは2023年比で約3倍の403EBに増える見込みだ。そのうち、5Gを使用したデータトラフィックの割合は2023年末の25%から、76%にまで拡大するという。また、FWAのデータトラフィックも2029年には2023年比で5倍に増加すると予想している。
スマートフォン1台当たりの世界の月間平均データトラフィックは、2023年時点で21ギガバイト(GB)だが、2029年には56GBに達する見込みだ。2029年の月間平均データトラフィックを地域別で見てみると、5Gの急激な普及が進むインドを含むインド/ネパール/ブータン地域が75GBとなる他、北米や湾岸協力会議諸国、東南アジア/オセアニア地域が66GBに拡大する。
鹿島氏は、データトラフィック増加の理由について「動画の視聴などのダウンリンクが急増していて、データトラフィック全体の92%を占めている」と説明した。
セルラーIoT(モノのインターネット)市場についてもまとめた。セルラーIoT接続デバイス数は2029年に60億個となる。このうち60%は4G(第4世代移動通信)や5GをベースとしたブロードバンドIoTになるという。鹿島氏は「4G/5Gの活用拡大に伴い、2G(第2世代移動通信)/3G(第3世代移動通信)は使用中止の方向で進んでいる。既存のIoTデバイスは、2G/3Gの活用を前提としたものも少なくないため、どのように対応していくかが課題だ」と述べた。
FWAの接続数も急拡大する見通しだ。エリクソンは、全世界のFWAの接続数が2029年に3億3000件となり、このうち、85%が5Gベースになると予測している。
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