チップレットは物理層で相互に互換性が必要だが、アーキテクチャレベルでも電源管理やセキュリティ、起動シーケンスなどの点で連携する必要がある。TenstorrentはLSTCに仕様を提供し、チップレット設計に関する同社の専門知識を効率的にLSTCに移行する予定だ。
Lien氏は、「今日目にするチップレット技術のほとんどは、1つの企業内でエコシステム全体が開発されているが、われわれが手掛けるのは、互換性のあるチップレットシステムを構築するための組織横断的な取り組みだ。チップレットは多くの人の話題に上るが、このプロジェクトは、“2つの国の、2つの別々の組織にまたがるチップレット”のビジョンを実現し、非常に複雑なチップのコンセプトを実証するものになる」と語る。
Lien氏は、「このプロジェクトは、Tenstorrentにも大きなメリットをもたらす」と強調する。
「Tenstorrentチップレットの仕様と互換性の定義をテストする方法として、このプロジェクトに非常に期待している。当社は、このチップレットエコシステムをどのように構築できるかについての詳細な仕様を有している。それをLSTCに移行し、どのような課題が出てくるのかを学びたい」(Lien氏)
Lien氏は、「われわれは非常に複雑なチップを構築している。私が最も重視しているのは互換性だ。どのように互換性基準を定義すれば、その基準を満たしたときに、組み合わせたシステムが2つの組織間で確実に動作するのかということだ」と述べる。「当社の今後のチップレットには下位互換性が必要になるが、これについても慎重に検討している」(同氏)
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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