「AIは、シリコンフォトニクスの幅広い普及を実現する“キラーアプリケーション”なのだろうか」――。SoitecとフランスCEA-LetiがNVIDIAと協働開催したイベントで、業界のキープレイヤーがこの問いについて議論した。
「AI(人工知能)は、シリコンフォトニクスの幅広い普及を実現する“キラーアプリケーション”なのだろうか」――。AIが過去数年間で爆発的な成長を遂げたことによって、高速インターコネクトや高帯域幅の需要が高まり、それに伴いイーサネット光トランシーバーのニーズもけん引されていることを踏まえると、そうだといえるのではないだろうか。
この質問は、SoitecとフランスCEA-Leti(フランス原子力庁の電子情報技術研究所)が2024年3月に、米国カリフォルニア州サンディエゴでNVIDIAと共同開催した業界ワークショップ「OFC(Optical Fiber Communication Conference and Exhibition)2024」において提起された。米国EE Timesは、独占メディアパートナーとして司会を務めた。今回のOFCでは、LightCountingやJabil、TSMC、Google、NVIDIAから参加した登壇者たちが、シリコンフォトニクスがクラウドデータセンターやエンタープライズ/電気通信ネットワークにおいて、大規模データ伝送を提供し、AI要件を処理するための事例についてプレゼンを行った。
LightCountingのデータによると、イーサネットトランシーバーの市場規模はAIによって2年間で2倍に拡大し、さらに2024年、2025年の2年連続で倍増する見込みだという。オプティクスは将来的に、重要な役割を担うとみられるが、光コネクティビティの消費電力量を削減する必要がある。LightCountingの創設者でCEO(最高経営責任者)を務めるVladimir Kozlov氏は、「2023年時点では、クラウドデータセンターの全てのハードウェアをサポートするために必要な消費電力量は、50GWで十分だったが、2029年までには150GW以上に増大するだろう」と述べる。
「消費電力量全体に占める光インターコネクトの割合は、現在の0.5%から、1.5%に増加する見込みだ」(Kozlov氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.