最大100万点保管できる新倉庫が稼働開始、コアスタッフ : 在庫保管/物流業務を請け負う新サービスも提供 (2/2 ページ)
コアスタッフは、Zero Hubのコンセプトとして「リードタイム ゼロ」「余剰在庫 ゼロ」「温暖化ガス ゼロ」の3つのゼロを掲げている。
リードタイム ゼロでは、Zero Hubに在庫を集めて一括管理することで、リードタイムを短縮し、即日/翌日配送を目指す。また、従来のトラック輸送に加え、北陸新幹線と連携することで、新物流センターの最寄り駅である佐久平駅(長野県)と成田空港をつなぐ物流網を構築できないかを検討しているという。これにより、物流コストの増加や配送納期の長期化といった「物流2024年問題」*) に対応していく考えだ。
*)2024年4月からトラックドライバーの時間外労働の上限が年間960時間に制限されることで懸念される物流の停滞などの問題の総称
同社は、余剰在庫 ゼロに向けた取り組みとして、半導体製品の在庫保管/物流業務一式を請け負う新サービス「LOS(Logistics Outsourcing Service)」を提供開始する。LOSでは、顧客の半導体製品や在庫をあらかじめ新物流センターに集約することで、配送効率を向上する。戸澤氏は「半導体業界では、年間数億円もの半導体の余剰在庫が破棄されている。しかし、ある企業では過剰在庫として扱われている製品でも、ある企業では不足している場合がある。コアスタッフが過剰在庫を管理し、不足している企業に販売することで、過剰在庫の削減に貢献する」と説明した。なお、在庫保管期間は「コアスタッフが在庫を管理し始めてから約2年間」だという。
新サービス「LOS」のイメージ[クリックで拡大] 出所:コアスタッフ
Zero Hubは、環境省が定める環境性能の最高水準である『ZEB』(net Zero Energy Building)を達成している。『ZEB』は、建物全体で消費する一次エネルギー消費量を太陽光発電による創エネや省エネで100%以上削減するもので、これにより温暖化ガス ゼロを実現する。また、余剰電力を蓄電池で保管する他、2系統受電を採用しているため、万が一、1つの変電所が停電した場合でも、もう一方の変電所から電気が供給される。
Zero Hubの3つのコンセプト[クリックで拡大] 出所:コアスタッフ
「調達と物流のTSMCを目指す」、コアスタッフが新サービスを発表
コアスタッフは2024年1月16日、同年秋に稼働予定の新物流センター(長野県佐久市)の建設状況と、半導体業界における「物流2024年問題」の解決を目指す同社の新サービスを説明した。
コロナ禍で「サポートの真空地帯」に ブロードマーケットの声を拾う商社を目指す
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによるサプライチェーンの混乱を経験した半導体/エレクトロニクス業界では、商社とサプライヤー、メーカーの関係性は少しずつ変化している。今回は、コアスタッフの社長である戸澤正紀氏と、アナログ半導体企業のエイブリックで取締役会長を務める石合信正氏が、それぞれ商社とサプライヤーの立場から、コロナ後の調達網について語った。
コロナ後の半導体市場、商社が語る「4つのシナリオ」
コアスタッフは2023年7月5日、コロナ禍以後の半導体/電子部品業界の見通しと課題、同社の今後の事業戦略についての説明会を開催。社長の戸澤正紀氏が登壇し、オンラインでの販売と対面での営業をハイブリッドで行う半導体専門商社という視点から半導体/電子部品業界の現状を分析した。
本格世界進出に向け新物流拠点着工――コアスタッフ
コアスタッフは2022年12月8日、半導体/電子部品販売ビジネスの新たな基幹拠点になる物流センター(長野県佐久市)の建設に着工した。従来拠点に比べて10倍になる約100万点の在庫を保有できる能力を持ち、同社は新物流センター稼働後、事業の海外展開を本格化させる計画だ。
2025年3月期第1四半期 国内半導体商社 業績まとめ
半導体や電子部品、電子機器などを扱う主要な国内半導体/エレクトロニクス商社(集計対象:20社)の2025年3月期(2024年度)第1四半期の業績は、集計対象の20社のうち増収増益は4社のみだった。
2024年3月期通期 国内半導体商社 業績まとめ
半導体や電子部品、電子機器などを扱う主要な国内半導体/エレクトロニクス商社(集計対象:21社)の2024年3月期(2023年度)通期業績は、集計対象の21社中、増収増益は6社のみだった。
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