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Infineonが車載初のRISC-Vマイコンを展開へ今後数年以内に

Infineon Technologiesが、今後数年以内にRISC-Vベースの新しい車載マイコンファミリーをローンチすると発表した。同社の展開する車載マイコン「AURIX」シリーズに加わる。

» 2025年03月06日 20時16分 公開
[永山準EE Times Japan]

 Infineon Technologies(以下、Infineon)は2025年3月6日、今後数年以内にRISC-Vベースの新しい車載マイコンファミリーをローンチすると発表した。同社の展開する車載マイコン「AURIX」シリーズに加わる。

「半導体サプライヤーとして初めて」

 Infineonは、車載マイコンとして独自コア「TriCore」を採用する「AURIX TCファミリー」や、Armコアを採用する「TRAVEOファミリー」および「PSOCファミリー」を展開。Infineonは世界の車載マイコン市場においてシェア28.5%※)でトップだという。

 Infineonは2023年、Robert BoschやNXP Semiconductors、Nordic Semiconductor、Qualcomm Technologiesらと共同出資し設立(後にSTMicroelectronicsも参加)した合弁会社Quintaurisを通じ、RISC-Vベース製品の商用化に向けた動きを加速していて、今回、「当社は半導体サプライヤーとして初めて、車載RISC-Vマイコンファミリーを発表した」と述べている。

※)TechInsights: Automotive Semiconductor Vendor Market Shares. 2001-2023年

エントリーレベルから、既存品を超える高性能品まで

 新AURIXファミリーは、エントリーレベルのマイコンから、現在の市場で使われている性能を超える高性能マイコンまで、幅広い車載アプリケーションを網羅すると説明。2025年3月11日からドイツで開催される組み込み技術の展示会「embedded world 2025」では、戦略的パートナーであるSysnopsysのツール群をベースとした、バーチャルプロトタイプスターターキットを紹介予定。これはInfineonのパートナーがプレシリコン段階でソフトウェア開発を開始するためのものだという。

 同社のオートモーティブ事業部プレジデントであるPeter Schiefer氏は「当社はRISC-Vを自動車業界のオープンスタンダードにすることにコミットしている。ソフトウェア定義車両(SDV)の時代には、リアルタイム性能、安全でセキュアなコンピューティングだけでなく、柔軟性、拡張性、ソフトウェアのポータビリティが今以上に重要になる。RISC-Vベースのマイコンは、このような複合的な要件に対応し、車両の複雑性を低減すると同時に、市場投入までの時間の短縮に貢献する」と述べている。

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