SK hynixがCMOSイメージセンサー(CIS)事業から撤退し、同部門の機能をAIメモリ事業に集約することを決定した。同社は日本にもCISの研究開発(R&D)拠点を置いているが、SK hynixはEE Times Japanに対し「日本R&Dセンターのメンバーは、CIS事業の他メンバーと同様に、AIメモリ事業の強化に加わる」と説明している。
SK hynixがCMOSイメージセンサー(CIS)事業から撤退し、同部門の機能をAIメモリ事業に集約することを決定した。機能移管は2025年3月6日から適用。同社は日本にもCISの研究開発(R&D)拠点を置いているが、SK hynixはEE Times Japanに対し「日本R&Dセンターのメンバーは、CIS事業の他メンバーと同様に、AIメモリ事業の強化に加わる」と説明している。
メモリ大手で近年、AIブームによる広帯域メモリ(HBM)需要の追い風を受けるSK hynixだが、2007年にはCIS事業も立ち上げ、モバイル市場向けを中心に展開してきた。市場調査会社Yole Intelligenceによれば、2023年の市場シェアは4%で、前年比では1ポイントダウン。Yoleはレポートの中で「SK hynixはCIS需要の落ち込みを受け、生産能力をメモリ事業、特にHBMに振り向けている」などと説明していた。
SK hynixは2025年3月6日(韓国時間)、「グローバルAIトップ企業としての地位を強化するため、CIS部門の機能をAIメモリ事業に集約する」と発表。同日開催したCIS事業メンバー向け説明会では、同事業が2007年の立ち上げ以来、さまざまな困難に直面しながらもモバイル市場で成し遂げてきた実績を評価し、メモリ事業だけでは達成できないロジックIC技術やカスタマイズ事業の領域で能力を獲得したと評価しつつ、「AI時代の到来に伴い、AIメモリ分野で一連の大きな成果を収めた後、現在大きな転換期を迎えている。CIS事業の技術とノウハウをAIメモリ分野の競争力強化のため全面的に移管する」と説明したという。
同社は「従業員の能力が無駄にならないよう、『全社的なワンチーム』の考え方で、影響を受ける従業員を全面的にサポートしていく」としている。なお、SK hynixは2019年に東京の浜松町にCISの開発拠点を設置していたが、今回、EE Times Japanに対し「日本R&Dセンターのメンバーは、CIS事業の他メンバーと同様に、AIメモリ事業の強化に加わる」と説明した。
SK hynixは今回の決定について「AIメモリ分野における競争力強化に寄与し、フルスタックAIメモリプロバイダーとしての地位をより具体的なものにするとともに、株主価値の最大化に貢献するものと期待している」とコメントしている。
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