ソフトウェア/開発ツールでも「アイデア創出から実装までをサポートする」(高橋氏)として、エッジAI向けソリューションブランド「DEEPCRAFT」を展開している。アイデア創出向けにはトライアル用の無償AIモデル「DEEPCRAFT Starterモデル」などを提供していて、実際のAIモデル開発やカスタマイズにはエッジAI開発プラットフォーム「DEEPCRAFT Studio」やInfineonの統合開発環境(IDE)「ModusToolbox」などが利用できる。
InfineonのハードウェアでエッジAIを実現する方法としては、データを持ち込んでDEEPCRAFT Studioなどでモデルを開発するか、事前に開発したモデルを持ち込むか、Infineonが用意している開発済みモデル「DEEPCRAFT Readyモデル」などを利用するかという3つのパターンがあるという。モデルを開発する場合は、DEEPCRAFT Studioにデータを読み込ませると自動でラベリングし、モデル生成/トレーニング、ハードウェアへの最適化まで行える。
ハードウェアへの搭載はModusToolboxが担う。なお、PSOC Edge以外にも「XMCシリーズ」や「AURIXシリーズ」などが利用できる。
InfineonへのエッジAIの相談では、モデルを持ち込むか開発済みモデルを購入する事例が多いという。「既にクラウド上でAI処理を行っている顧客から、それをエッジデバイスに持ち込みたいという相談も受けている」(高橋氏)
セキュリティソリューションは、マイコン自体のセキュリティを強化しているほか、ディスクリートのセキュリティ製品や、Infineonが提供するセキュリティサービスもあるという。特に、PSOC Edgeはグローバルなセキュリティ基準を満たすことを目指していて、EU CRA規格を満たし、PSA レベル4の認証を取得している。「PSA レベル4認証を取得したマイコンは業界で唯一だ。その点が評価されて採用された事例もある」(高橋氏)
高橋氏はエッジAIのトレンドについて「エッジAIデバイスの数は2030年までに40億台を超えると見込まれている。現在の設計者は既にAIに精通している人と『AIで何ができるのか分からない』という人に二極化していて、そうした状況はInfineonが取り組んでいく課題でもある」と語った。
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