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「SDV実現の鍵」車載RISC-Vマイコン開発でInfineonが狙うものローエンドからハイエンドまで(3/3 ページ)

» 2025年04月11日 11時30分 公開
[永山準EE Times Japan]
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仮想プロトタイプの概要

 Infineonがパートナー企業に提供しているのは、「AURIX」をベースにTriCoreをRISC-Vコアに置き換え、既存のペリフェラルに接続した仮想プロトタイプで、コンパイラとデバッガーおよびコア機能を試すことができる。今後、オペレーティングシステム(OS)やBSW(Basic Software)、セキュリティコンポーネント、電源管理など機能を徐々に拡充していく予定で、将来の製品ファミリーの完全なデジタルツインへと進化し、顧客の開発期間と市場投入までの時間が短縮できるとしている。

Infineonの仮想プロトタイプ環境RISC-Vコア仮想プロトタイプおよびソフトウェアドライバー、ラピッドプロトタイピング用のテンプレートプロジェクトで構成されるソフトウェア開発キット(SDK) Infineonの仮想プロトタイプ環境と、RISC-Vコア仮想プロトタイプおよびソフトウェアドライバー、ラピッドプロトタイピング用のテンプレートプロジェクトで構成されるソフトウェア開発キット(SDK)車載RISC-Vマイコンプロトタイプ実現のためには/右=Quintaurisとは[クリックで拡大] 出所:InfineonTechnologies
車載RISC-Vマイコンプロトタイプの計画[クリックで拡大] 車載RISC-Vマイコンプロトタイプの計画[クリックで拡大] 出所:InfineonTechnologies

 InfineonのRISC-Vマイコンは、AURIXシリーズに加わり、エントリーレベルのマイコンから、現在の市場で使われている性能を超える高性能マイコンまで、幅広い車載アプリケーションを網羅する予定だ。ただ、SoC(System on Chip)まで手掛けることはなく、「あくまでマイコンにとどまる。ゾーンや特定のアプリケーションに向けたスケーラブルなプラットフォームとなるが、中央コンピュータ分野には進まない」としている。また、説明担当者は「RISC-Vマイコンは、既存のポートフォリオを補完するものになる」とも説明。「当社は既存マイコンの提供/開発も継続していく。そのうえで、われわれはこの分野のパイオニアとして、RISC-Vマイコンを発展させていく」としている。

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