ルネサス エレクトロニクスは「第9回 AI・人工知能 EXPO 春」(2025年4月15〜17日、東京ビッグサイト)内「小さく始めるAIパビリオン」に出展。画像認識による居眠り/わき見運転の検知など、マイコンで実現するエッジAIの実例を紹介した。
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は「第9回 AI・人工知能 EXPO 春」(2025年4月15〜17日、東京ビッグサイト)内「小さく始めるAIパビリオン」にて、マイコンで実現するエッジAIソリューションを紹介した。
ルネサスは、AI向けで「音声認識」「画像認識」「リアルタイム分析」の3分野に注力している。リアルタイム分析は音声/画像以外の入力情報をもとに状況分析を行うものだ。
画像認識の実例として紹介したのは物体検出の3種類のデモで、いずれもArm Cortex-M85コア搭載のマイコン「RA8シリーズ」を用いている。1つ目は顔検出で、人物の顔を検知するとディスプレイ上で四角い枠が表示されるというものだ。ルネサスが提供するエッジAI開発向けソフトウェアを用いている。
2つ目は、事前に顔を登録しておくと検知した顔が誰であるかまで判断できるというもので、入退室管理システムや利用者を制限したい装置などに応用できる。撮影した顔から特徴点を5つ抽出して人物を特定する仕組みで、人物は最大100人登録できる。これには米Aizipのソフトウェアを利用している。
「インターネットに接続せずに利用するので、顔を撮影する際のセキュリティリスクを抑えられる」(ルネサス担当者)
3つ目は表情を読み取るというものだ。運転中の居眠り/わき見アラートなどに応用できる。デモでは、ディスプレイ上に「drowsiness(眠気)」「distraction(注意散漫)」の表示があり、まぶたを閉じているとdrowsinessの項目が、顔が横を向いているとdistractionの項目が黄色く表示された。Nota AIが提供するソフトウェアを用いているという。
リアルタイム分析の実例としては、掃除機による床面タイプ判別を紹介した。電流などの信号情報からフローリング、カーペットといった床面タイプを判別し、モーター速度を調整するというもので、追加のセンサーは必要ない。ルネサスのエッジAIモデル生成ツール「Reality AI Tools」を用いている。
「掃除機掛けは、異なる床面の境目を行ったり来たりするように細かく動かすこともあるので、モーター回転数の切り替えはリアルタイム性が重視される。エッジAIの利点を生かせる用途だ」(ルネサス担当者)
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