メモリは、微細化が限界に達しているフラッシュメモリに代えてMRAMを初めて採用し、1MバイトのMRAMと2MバイトのSRAMを搭載した。MRAMの採用もRA8シリーズ第2世代の大きな特徴になるという。MRAMは高い耐久性とデータ保持力のほか、高速で書き込み/読み出しが行えること、消去不要であること、低消費電力であることなどが利点だ。ルネサスは半導体集積回路の国際学会「ISSCC 2024」で高性能マイコン向けのMRAMの高速読み出し/高速書き換えの技術を発表していて、RA8P1にはその技術を盛り込んでいる。
さらに大きいメモリ容量を必要とする用途に向け、XIP/DOTF対応のOctal SPIインタフェースと32ビット外部バスインタフェースを備えている。4Mバイトまたは8Mバイトの外部フラッシュメモリを集積したSiP(System in Package)品も用意する。
周辺機能としては、マルチモーダルAIに向けて、パラレルカメラ入力やMIPI-CSI2、シリアルサウンド入力とPDMによる音声入力に対応。16ビットA-DコンバーターやグラフィックスHMI機能、各種シリアルインタフェースも搭載した。
さらに開発環境として、汎用マイコンとMPU向けの包括的なフレームワークである「RUHMI FRAMEWORK」(ルミ フレームワーク)を提供する。TensorFlow Lite、PyTorch、ONNXといったフレームワークをサポートしていて、モデルの最適化や量子化、グラフコンパイル、マイコン向けの変換を行う。葛西氏は「初心者にもプロフェッショナルにも使い勝手のいい開発環境だ」とする。現時点ではRUHMI FRAMEWORKが現在対応しているのはRA8P1だけだが、今後他の製品にも対応していくという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.