サンディスクは、広帯域フラッシュ(「HBF」)メモリ技術の開発と戦略を支援する「HBF技術諮問委員会」を設立した。サンディスクがHBFの製品化に取り組む中で、HBFをAI向けメモリのスタンダードにしていくための活動を行う。
サンディスクは2025年7月、広帯域フラッシュ(「HBF(High-Band Flash)」)メモリ技術の開発と戦略を支援する「HBF技術諮問委員会」を設立したと発表した。サンディスクがHBFの製品化に取り組む中で、HBFをAI向けメモリのスタンダードにしていくための活動を行う。
HBFは、広帯域メモリ(HBM)に匹敵する帯域幅を実現しながら、同等のコストで8倍の記憶容量が得られるという。HBFはBiCS(Bit Cost Scalable)技術とCBA(CMOS directly Bonded to Array)ウエハー接合技術を採用している。独自のスタッキング技術によってダイの反りを極めて低く抑えることができ、16個の積層を可能にした。
HBF技術諮問委員会には、カリフォルニア大学バークレー校コンピュータサイエンス学科のDavid Patterson名誉教授や、コンピュータエンジニアであり半導体企業の経営者でもあるRaja Koduri氏を始め、社内外の業界エキスパートやシニア技術リーダーがメンバーとして参加している。
Patterson名誉教授は「HBFは広帯域幅で、かつてないほどのメモリ容量を提供する。現在の限界を超えて推論ワークロードの規模拡大を可能にするなど、データセンターAIにおいて重要な役割を果たす可能性が高い。高額な新規AIアプロケーションのコスト削減も進むだろう」とコメントした。
Koduri氏も、「HBFはエッジAIに革命を起こす。インテリジェントエッジアプリケーションの新たな時代が幕を開ける。AI推論の実行方法や場所が根本から変わるだろう」と述べた。
サンディスクのエグゼクティブバイスプレジデント兼最高技術責任者で、HBF技術諮問委員会のメンバーでもあるAlper Ilkbahar氏は「Patterson氏とKoduri氏のさまざまな経験と戦略的指針の助言などは、AI業界においてHBFをメモリのスタンダードとして確立する上で大きな役割を果たすことになる」とコメントした。
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