村田製作所、25年1Qは減収減益 AIサーバ向け好調もスマホ向け需要減:通期予想は据え置き(2/2 ページ)
村田製作所は、2025年度に2700億円の設備投資を計画している。多くは建物/インフラへの投資で、MLCCの需要増などに対応して出雲村田製作所(島根県出雲市)やフィリピンで新生産棟の建設を進めている。2026年には、MLCCに特化した研究開発拠点「セラミックコンデンサ研究開発センター」(福井県越前市)や、社内外の連携を促進する研究開発拠点「守山イノベーションセンター」(滋賀県守山市)も完成予定だ。
投資戦略[クリックで拡大] 出所:村田製作所
次世代技術に向けてスタートアップへの投資も行う。2025年4月には米国でコーポレートベンチャーキャピタルを立ち上げた。
第1四半期の受注高は4311億円で、前年同期/前四半期を上回った。BBレシオ(売上高に対する受注高の割合)は1.04、コンデンサーに限っては1.03で、売上高に対して受注高がやや大きくなっている。
売上高/受注高/受注残高の推移[クリックで拡大] 出所:村田製作所
売上高をセグメント別に見ると、主力製品であるコンデンサー、インダクター/EMIフィルターはサーバ向けが好調で前年同期比で増加したが、高周波/通信、エナジー/パワーは大きく減少した。スマホ/パワーツール/モビリティ向けの需要減によるものだ。
セグメント別の売上高[クリックで拡大] 出所:村田製作所
村田製作所は減収減益予想 「スマホ台数1%減れば50億円減収」
村田製作所は2025年度通期業績予想を発表。売上高は前年度比5.9%減の1兆6400億円、営業利益は同21.3%減の2200億円、純利益は同24.3%減の1770億円と減収減益を予想する。スマートフォン向けの高周波モジュールや樹脂多層基板の採用数減少などを要因としている。
3GHz以上でも高減衰の高周波フィルター 「XBAR」技術適用
村田製作所は、XBAR技術を用いた高周波フィルターの量産出荷を始めた。最新の通信規格で利用される3GHz以上の高周波数帯において、高い減衰量と低損失の信号検出を実現した。高周波数帯域を利用する移動通信システムや無線LAN対応機器などに向ける。
自律神経から「頑張りすぎ」を可視化、村田製作所
村田製作所は「JPCA Show 2025」に出展し、疲労/ストレス計「MF100」を紹介した。企業の健康経営や業務改善のほか、自動車開発の際は運転手の疲労の検証などにも利用できる。
パワー半導体のすぐそばに設置! 正確な温度検知で性能を引き出すサーミスター
村田製作所は「人とくるまのテクノロジー展 2025 YOKOHAMA」でパワー半導体用NTCサーミスター「FTIシリーズ」を紹介した。FTIシリーズは「世界で初めて」(同社)樹脂モールド構造かつワイヤボンディングに対応したNTCサーミスターで、パワー半導体の近傍に設置して正確な温度検知を行える。
銀廃材の再活用に向け「水平リサイクル」を開始
村田製作所は、自社EMI製品の製造過程で発生した銀(Ag)廃材を再活用するための「水平リサイクル」を始めた。主要素材の循環モデル構築は同社として初めての試みとなる。
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