もうひとつの黒ひげ危機一発×半導体産業人生占いは、職種が書かれた10本の剣のなかから好きなものを選び、希望する企業の穴に突き刺して相性を占う。黒ひげが飛び出せば就職成功、飛び出さなければ不採用というわけだ。
人生ゲームはクリアに一定の時間を要するため、参加者が増えると混雑する。黒ひげ危機一発は回転が早く、2025年で誕生50周年を迎えることもありコラボに至ったという。筆者もやってみたところ、一度の不採用を経て、アプリケーションエンジニアとしてルネサスに就職することになった。
JEITAの担当者は「コロナ禍以降、半導体そのものの知名度は上がったが、具体的な詳細に半導体が何に使われているかや、企業がどんな仕事をしているかはあまり知られていない。(参加者も)普通のチラシを渡されるより、ゲームを通じて企業、職種のカードを渡されるほうが印象に残りやすいと考えながら、試行錯誤している」と語る。
「今の若い方は『仕事を通じて何を実現したいか』を大事にするため、半導体がいかに世の中に欠かせないもので、世の中においてどんなことを実現できるのか、知ってもらうきっかけ作りの場にしたい。参加企業も毎年工夫を重ねていて、近年は『先輩からおすすめされたから』と来場する学生も見かけるようになった」(JEITA担当者)
筆者が(ゲーム内で)ご縁のあった企業のブースでも、半導体を知ってもらうためのさまざまな工夫が行われていた。ルネサスは、シリコンインゴットやウエハーの模型と自社製マイコン、そして最終製品のドローンを並べ、半導体の製品化の流れを表現。「まずは半導体を知ってもらうところから始めて、半導体業界そのものの発展につなげていきたい」(ルネサス担当者)とする。
三菱電機は、電気自動車(EV)のモーターを模したミニゲームを展開。EVのモーターに交流電流を供給し続けるためには、インバーター内の6つのスイッチをスムーズに切り替え続ける必要がある。このスイッチングを手動にして、より早くスムーズな電力供給を目指す、というものだ。
三菱電機の担当者は「パワー半導体のセミナー自体は昔からやっていたが、ゲーム化してからは、特に子供の食いつき方が全く違う。おかげで、セミナーが終わるころには多くの子供たちがパワー半導体のことを覚えてくれている」と実感を語った。
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