主要な地域の需給バランスをウエハー処理枚数ベースで見ると、中国と米国は需要が供給(生産)を上回っている。一方、日本と韓国、台湾、シンガポールのアジア諸国(中国を除く)は供給が需要を超えており、DRAMとNANDフラッシュメモリはアジア諸国(中国を除く)の工場が供給基地になっていることが分かる。
DRAMとNANDフラッシュメモリの地域別需給バランスと生産比率(ウエハー処理枚数、2024年)。供給(生産)地域は工場所在地ベース。「pps」とあるのは、2018年との比較数値(ポイント増減)で、赤字は低下、緑字は上昇を示す(例えば日本は2018年と比べて10ポイント低下)[クリックで拡大] 出所:2025 Proceedings of FMS、Yole Group国・地域別(工場所在地)の生産比率では韓国が最も大きく、45%を占める。次いで中国が24%、日本が16%、台湾が10%、シンガポールが4%、米国が2%となる。生産比率で2番目に多い中国が、需要を満たせていない。
最後は半導体メモリ各社の設備投資額推移(2020年〜2024年)である。当然ながら、Samsungが最も多い。SK hynixとMicronはSamsungのおよそ半分にとどまる。NANDフラッシュ専業のキオクシア-Sandisk連合は2023年〜2024年に設備投資を抑制しており、フラッシュ専業のYMTCが安定的に投資しているのと対照的だ。そのほか、中国DRAMメーカーのCXMTが2024年に設備投資額を急増させているのが目立つ。
(次回に続く)
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