2025年12月の国際学会IEDMで、TSMCが最新のパッケージング技術について講演した。本シリーズは、その内容の一部を紹介する。
2025年12月に開催された国際学会IEDMのショートコース(技術解説)で、シリコンファウンドリー最大手のTSMCが最新のパッケージング技術を説明した。講演のタイトルは「Advanced Packaging and Chiplet Technologies for AI and HPC Applications(AIおよびHPCに向けた先端パッケージング技術と先端チップレット技術)」、講演者はAdvanced Package Integration Division R&DのディレクターをつとめるJames Chen氏である。大変に参考となる内容だったので、その一部をご紹介したい。ただし講演内容だけでは説明が不十分なところがあるので、本シリーズでは読者の理解を助けるために、講演内容を筆者が適宜、補足している。あらかじめご了承されたい。
なお本コラムではこれまで、2017年4月の第102回からと、2021年10月の第328回から、それぞれTSMCによる先端パッケージング技術の講演概要をシリーズで報告してきた。今回から始まるシリーズは、それらのアップデート版とも言える。
講演「Advanced Packaging and Chiplet Technologies for AI and HPC Applications(AIおよびHPCに向けた先端パッケージング技術と先端チップレット技術)」のアウトライン[クリックで拡大] 出所:TSMC(IEDM 2025のショートコース(番号SC1-5)で公表された講演スライドから)タイトルスライドの次に示されたアウトラインは、「AI and HPC Market Outlook(AIとHPCの市場を展望)」「Advanced Package Technology Evolutions(先進パッケージ技術の進化)」「System-Technology Co-Optimization (STCO)(システムと製造の協調最適化)」「Emerging Advanced package technology(次世代の先進パッケージ技術)」「Summary(まとめ)」となっていた。このアウトラインからは分かりにくいが、2021年10月のシリーズと比べると、光電融合技術と放熱技術に関する講演内容が大きく進化した。
アウトラインの始めである「市場展望」ではまず、半導体世界市場(金額ベース)の推移が1987年〜2024年にわたって示された。半導体業界では良く知られているように、1990年代はパソコン(PC)、2000年代はインターネット、2010年代はスマートフォンが市場の成長をけん引したと言える。そして2010年代末〜2020年代前半は、クラウドが半導体市場の成長のけん引役となった。この間、1995年に半導体の市場規模は1000億米ドルを突破した。
そしてクラウドとデータセンターは、人工知能(AI)という応用分野を得たことで成長を加速させつつある。2030年までに半導体の市場規模は1兆米ドルを超えるとみられる。なお2026年1月12日(米国時間)に市場調査会社ガートナーが発表した2025年の半導体世界市場(速報)は21%成長の7934億4900万米ドルなので(参考記事「25年の世界半導体市場は21%増の7930億ドル、トップ10でIntelだけ減収」)、2026年に26%成長すると市場規模は約1兆米ドルに達することになる。
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