2011年7月に吸収分割を実施する。セイコーエプソンは、「マイクロデバイス事業におけるいっそうの機能強化や意思決定の迅速化を図るもの」だと説明している。
セイコーエプソンは2011年5月25日、100%子会社のエプソントヨコムが手掛けている水晶デバイス事業を、一部を除いて吸収分割により承継すると発表した。2011年7月1日を効力発生日として吸収分割を実施する。
エプソントヨコムは、もともとセイコーエプソンの水晶デバイス事業を分社化し、同じく水晶デバイスを手掛けていた東洋通信機と統合することで誕生した企業である(参考記事その1、参考記事その2)。水晶材料を利用したタイミングデバイスやセンサー、光学フィルタを供給する最大手メーカーだ。2005年10月にエプソントヨコムとして業務を開始した。その後2009年6月に株式交換によってセイコーエプソンの100%子会社になっている。
今回の吸収分割でセイコーエプソンは、エプソントヨコムの水晶デバイス事業のうち、次の機能を継承する。すなわち、研究や製品開発などの技術部門と、国内に3拠点ある製造拠点のうち伊那事業所、総務や人事、経理といった各種管理部門である。エプソントヨコムは引き続き、販売の他、国内製造拠点の宮崎事業所と福島事業所、海外の製造拠点を受け持つ。
セイコーエプソンは、報道発表資料の中で、今回の吸収分割の目的を次のように説明している。同社は2010年10月に「マイクロデバイス事業本部」を新設し、水晶デバイスとその信号処理を担う半導体技術の一体化に取り組んだり、組織運営の効率化を進めたりしてきた。「未来社会になくてはならないマイクロデバイスを提供できる強い事業体質の構築」(同社)を目指しているという。今回の吸収分割はこの延長線上にある施策で、「マイクロデバイス事業におけるいっそうの機能強化や意思決定の迅速化を図るもの」(同社)だと説明している。
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