富士通が開発した全固体二次電池は、半導体製造プロセスを応用した気相プロセスで製造することが可能だ。エネルギーハーベスティングデバイスのバックアップ電源などの用途に向ける。
富士通は、「CEATEC JAPAN 2011」(2011年10月4日〜8日、幕張メッセ)において、半導体製造プロセスを応用して製造した全固体二次電池を公開した。2010年12月に発表したハイブリッド型発電デバイスのバックアップ電源などに用いることを想定している(図1)。2015年の実用化を目指して開発を進める。
今回開発した全固体二次電池は、正極にコバルト酸リチウム、負極に金属リチウム、固体電解質に硫化物系のものを用いている。電池の製造は、気相で行えるように半導体製造プロセスを応用しているという。展示された電池セルのサイズは5mm角で、電力容量は数百μWhだという。
同社は、ハイブリッド型発電デバイスと全固体二次電池を組み合わせた電源を、人間の体温や脈拍などをモニタリングする無線機能付きの携帯型医療機器に用いることを想定している(富士通のハイブリッド型発電デバイスに関する参考記事)。富士通は、「もし、ハイブリッド型発電デバイスが発電できない状況でも、今回展示した全固体二次電池の電池セル4個分に蓄えた電力を用いることにより、こういった機器に搭載されるセンサー、信号処理、無線機能などの回路を1日間動作させることができる」としている。
なお、富士通研究所は、この全固体二次電池の詳細について、「第52回電池討論会」(2011年10月17日〜20日、タワーホール船堀)で発表する予定である。
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