市場調査会社のIHS iSuppliが最新のスマートフォン4機種を調べたところ、DRAMの搭載量が従来に比べて大幅に増加していることが明らかになった。同社はスマートフォン向けDRAMは今後も堅調な需要が見込まれると見込む。
米国の市場調査会社であるIHS iSuppliによると、スマートフォン向けDRAMの出荷量(ビット換算)は、2010年に6億7200万ギガビット(Gb)だったが、2011年には157%増となる17億Gbに達する見込みだという。また2015年には、DRAMの出荷数量が、2011年比で700%増となる139億個に達すると予測されている(図1)。
最近発表された4種類のスマートフォンを分解した結果、各機種のDRAM搭載量は、従来よりも大幅に増加していることが明らかになった。Sony Ericssonの「Xperia PLAY」は512Mバイト、Samsung Electronicsの「GALAXY Indulge」は576Mバイト、Appleの「iPhone 4」は544Mバイト、HTC(High Tech Computer)の「ThunderBolt」は768Mバイトを搭載する。iSuppliによると、これらの数値は、2010年に発表されたスマートフォンのうちDRAMの搭載量が最大だった機種に比べて、4〜6倍になっているという。
iSuppliによると、前述した4種類のスマートフォンの部品コスト(BOM)に占めるメモリの割合は、平均で約15.7%だという。この中で最も割合が大きかったのはiPhone 4で、BOMの22.1%を占めている。
スマートフォンに搭載されるDRAMの容量(平均値)は、2011年には461Mバイトに、2012年にはその55%増となる715Mバイトに達する見込みだ。iSuppliは、「スマートフォン向けDRAMは、しばらくは堅調な需要が見込まれる」と結論付けている。
また、現在DRAMの搭載量が最も多いのはPCだが、タブレット端末とスマートフォンが、そのPCの市場シェアを奪い取る勢いを見せている。iSuppliは、DRAM市場においてスマートフォン向けが占めるシェアは、2010年には4.4%だったが、2011年には7.6%、2012年は10.6%、2013年は13.4%、2014年は14.9%、2015年は16.0%と、年々増加すると予測している。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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