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「前の風景に映像が浮かぶ」、移動中でも楽しめるHMDをエプソンが製品化ビジネスニュース 企業動向

画面と同時に周りの状況も視認できるシースルータイプのヘッドマウントディスプレイ(HMD)である。同社によると、民生向けでシースルータイプの製品化は世界初だ。市場価格は5万円台後半を予想する。

» 2011年11月09日 15時04分 公開
[薩川格広,EE Times Japan]

 エプソンは、眼鏡のように装着して映像やWebコンテンツを楽しめるヘッドマウントディスプレイ(HMD)を製品化した。2011年11月25日に発売する。0.52インチ型のQHD(960×540画素)液晶パネルを採用。画面と同時に周りの状況も視認できるシースルータイプである。同社によれば、シースルータイプのヘッドマウントディスプレイの製品化は民生用では世界初だという。「目の前の風景に映像が浮かぶ。自分だけの世界に没頭しながらも、周りにも目を配れるので、移動中や公共の場所などでも安心して楽しめる」(同社)。

 同社はこれを「シースルーモバイルビューアー」と呼び、「MOVERIO(モベリオ)」のブランド名で展開する。型名は「BT-100」。オープン価格で、市場価格は5万円台後半と予想する。今後1年間で約1万台の販売を見込む。

図1 エプソンのシースルーモバイルビューアー「MOVERIO(モベリオ)」 ヘッドマウントディスプレイ本体の外形寸法は205mm×178mm×47mm、重量は240g。手元で操作できるコントローラが付属する。出典:セイコーエプソン

 液晶パネルには、高温ポリシリコンTFTを採用した。画角は約23度。24ビットカラーで約1677万色の色再現性を備える。装着時の画面サイズについては、同社独自の光学技術と高精細ディスプレイを採用することで、ユーザーが視点を遠くに置くほど大きく見えるようにした。視点が20m先のときに、320インチ型に相当するという。サイドバイサイド方式の3D表示にも対応する。

 本体に1Gバイトのメモリを搭載する他、microSDとmicroSDHCに対応した外部メモリスロットを備える。またリチウムポリマーバッテリを内蔵しているので、視聴するコンテンツをメモリカードに保存しておけば、再生装置に接続せずに、外出先でもこのHMD単体でコンテンツを視聴できる。バッテリ駆動時間は、動画ファイルを連続再生した場合に約6時間だという。無線LAN(IEEE 802.11b/g/n)接続機能も搭載しているので、インターネット上の映像コンテンツやWebページの閲覧も可能だ。OSにはAndroid 2.2を採用した。手元で操作できるコントローラが付属し、「スマートフォンやタブレット端末と同じく直感的な操作感で、スムーズかつ快適に映像を視聴できる」(同社)としている。

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