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印刷エレクトロニクス市場、2012年に94億ドル規模へビジネスニュース アナリストリポート

市場調査会社のリポートによると、2012年における印刷エレクトロニクスの市場規模は94億米ドルに達すると予想される。比率が大きいのはOLED(有機ELディスプレイ)、電子ペーパー、導電性インク、CIGS太陽電池の4つで、それらの合計で94億米ドルの98%を占めるという。

» 2012年03月12日 18時00分 公開
[Peter Clarke,EE Times]

 市場調査会社である英国のIDTechEXによると、2012年の印刷エレクトロニクスの市場規模は、94億米ドルに達するという。これは、半導体チップ全体の市場規模の約1/30に相当する数字である。ただし今回の市場規模予測で計上した対象物には、現時点では印刷技術が適用されていないデバイスやサブシステムなども含まれている。IDTechEXは、これらについても、「印刷技術で製造する方向に進んでいる」と述べている。

 今回のIDTechEXのリポートによると、2012年の印刷エレクトロニクス市場では、OLED(有機ELディスプレイ)、電子ペーパー式ディスプレイ、導電性インク、CIGS(銅インジウムガリウムセレン)太陽電池の4つ分野の合計で、94億米ドルの市場規模のうち98%を占めると予想される。

図1 2012年の印刷エレクトロニクス市場 代表的な応用分野別に市場規模の予測を示した。ただし表中で「Not Printed」に分類されている分野は、現時点ではまだ印刷技術が適用されていない。 出典:IDTechEX

 IDTechEXによると、OLEDはまだ印刷技術で製造する段階には到達していないが、同分野の売上高は2012年に40億米ドル規模まで成長する見通しだという。電子ペーパー式ディスプレイは、電子書籍リーダーの多くに搭載されており、2012年の年間売上高は2億9000万米ドルに上ると予想される。導電性インクは、太陽光発電やアンテナ、薄膜回路、電磁的な遮蔽(しゃへい)や静電放電のアプリケーションに使われており、2012年の売上高は23億米ドルに達する見込みだという。CIGS太陽電池は現時点では印刷技術が適用されておらず、折り曲げることもできないが、2012年には26億米ドル規模に成長すると予想される。

 OLED市場は、有機EL照明市場の立ち上がりとともに、成長に拍車が掛るとみられる。印刷技術を適用する電池やロジックIC、メモリは、まだ売上高は少ないものの、プラスチック基板上に印刷技術を使ってメモリ素子を作製する技術が開発されるなど、印刷エレクトロニクス市場に新たな変化をもたらす分野として期待されている。

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