村田製作所は、「TECHNO-FRONTIER 2012」で最新の雑音対策ソリューションや、エネルギーハーべスティング(環境発電)用の多様な発電デバイスを展示している。
村田製作所は、携帯通信のLTE規格や、SATA、HDMI、USB、MHLなどの有線インタフェースの標準規格を対象にした雑音対策ソリュ―ションを、「TECHNO-FRONTIER 2012(テクノフロンティア2012)」(2012年7月11〜13日、東京ビッグサイト)に出品した。雑音対策を施すことで、信号波形品位を維持したり、放射雑音を抑制できるというメリットを数多くのパネルで紹介しており、そのうちの1つである「LTEのノイズ対策ソリューション」では、最先端の携帯通信方式であるLTE対応スマートフォンに導入した事例を見せていた。
LTE方式では、利用可能な周波数が700M〜2.6GHzと広いことや、複数のアンテナを使ってデータをやりとりするMIMOを利用するといった理由から、雑音対策を施す重要度が増すという。展示では、液晶ディスプレイのデータラインにチップLC/RCフィルタ、電源ラインにチップフェライトビーズという雑音対策部品を挿入することで、無線回路の受信感度を大幅に改善できることを紹介していた。
「ただ単に雑音対策部品を販売するだけではなく、雑音シミュレーションや基板の評価、技術支援といった総合的なソリューションを提供することが当社の強み」(同社)という。
この他、最近注目を集めるエネルギーハーべスティング(環境発電)を対象にした発電デバイスの展示もあった。村田製作所では戸田建設と共同で、まだ日本国内では採用実績の少ないエネルギーハーべスティング技術の実証を進めている(関連記事)。
戸田建設では現在、村田製作所が開発した圧電方式の発電デバイスを使った照明スイッチの評価を進めており、この作業が完了後、エネルギーハーべスティングを活用した照明制御システムの導入が可能になるという。「スイッチを押す力を使って照明を制御する信号を無線送信するというスイッチモジュールの基本的な開発は完了しているものの、既存の一般的なスイッチと同様の使い勝手を実現するための作り込みや、信頼性の検証作業が残っており、今それを実施しているところだ」(戸田建設の説明担当者)。
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