重要生活機器連携セキュリティ研究会(CCDSSG:Connected Consumer Device Security Study Group)は、2020年までに解決すべき生活機器のネット連携機能におけるセキュリティ上の課題と対応すべきポイントを提言「セキュアライフ2020」としてまとめ、発表した。
重要生活機器連携セキュリティ研究会(CCDSSG:Connected Consumer Device Security Study Group)は、2020年までに解決すべき生活機器のネット連携機能におけるセキュリティ上の課題と対応すべきポイントを提言「セキュアライフ2020」としてまとめ、2014年6月13日に発表した。この中で、「セキュリティ119番の設置」、「一般ユーザーに対するセキュリティ対策への意識高揚」などを重要課題として挙げた。
東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に向けて、HEMS(Home Energy Management System)やA/V家電、医療/ヘルスケア機器、自動車など、さまざまな生活機器がネットワークにつながる社会が現実のものとなる一方で、脅威となる情報システムへのサイバー攻撃の増加が想定されている。こうした状況を踏まえて、「つながるIT社会の安心・安全の確保に向けて〜セキュアライフ2020〜」と題した報告書は、サイバー攻撃の脅威に対して、行政機関や関連する機器メーカー、および機器ユーザーなどが取るべき対策を取りまとめた。
この中で、業界や企業、一般ユーザーが取り組むべき検討事項を列挙し、セキュアな社会の実現に向けて5つの項目を提言した。「つながる生活機器のセキュリティに目を向ける」、「ユーザーを巻き込んだセキュリティ対策を考える」、「業界横断的な検討の場を設ける」、「世界の安心・安全に貢献する」、「世界に誇れるセキュアなモノづくりを行う」、の5項目である。
特に、「ユーザーを巻き込んだセキュリティ対策」では、新たな試みもある。不具合の原因がアプリケーションソフトウェアなのか、スマートフォンなどの機器側にあるのか、一般ユーザーでは明確にできないケースも出てくる可能性が高い。そこで、不具合が生じたときに情報を早期に把握して、適切な対策を講じるための「セキュリティ119番」の設置を提案する。
もう1つが一般ユーザーにもセキュリティ対策の重要性を認識してもらうことである。これまでは機器メーカーやソフトウェアベンダーが主体となってセキュリティ対策を徹底してきた。しかし、実用上は限界もある。防犯対策のように、カギ自体の信頼性を高めるのと同時に、確実に施錠したり、カギを安全に管理したりするなど個人の心がけも大切だ。「セキュリティ対策のレベルをさらに向上させるためには、ユーザーへの教育や訓練を通じて、セキュリティに関する意識を高めて行くことが不可欠」との判断があるようだ。
重要生活機器連携セキュリティ研究会は、今回まとめた提言内容に関するシンポジウムを2014年7月4日の午後1時より、慶應義塾大学三田キャンパス北館ホールで開催する。定員は150人で入場は無料。同研究会のウェブサイト(https://www.ccdssg.org/)でプログラムの確認や参加申し込みが行える。
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