ウェアラブル機器向けに、小型で柔軟性のある電源の開発が進んでいる。米大学が開発したリチウム不要の電気二重層キャパシタは、そうした電源の候補になり得る。
現在、ウェアラブル機器の人気が高まる一方であることから、小型かつ柔軟性のある電源の実現に向けて、さまざまな研究開発が進められている。
そのうちの1つが、米国テキサス州のRice University(ライス大学)が2014年4月28日(米国時間)に発表した、リチウム不要の新型電気二重層キャパシタだ。同大学の科学学部教授であるJames Tour氏が率いる研究グループが開発を手掛けた。厚さは約0.2mmで、ウェアラブル機器やフレキシブル電子デバイスなどの電源用途として期待される。
同研究グループは、電池ではなく、電気二重層キャパシタの開発を選んだ。電気二重層キャパシタは、電池とよく似た性能を持つが、電池よりも開発が容易であるためだ。さらに、一般的な電気二重層キャパシタと同様に、電池よりも迅速に充放電が可能なだけでなく、ゆっくり充電させることもできる。1万回の充放電試験と1000回の屈曲試験を行った結果、静電容量は24%の低減にとどまったとしている。
Tour氏は、「電池は構造上、2つの異なる電極が必要であるため、開発が難しい。一方、電気二重層キャパシタは、全く同じ電極が2つあればよい」と述べる。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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