Doherty氏は、GoProは「人々の間で高まる自己陶酔的なビデオへの情熱」というトレンドに乗ることができたと述べた。同氏の意見では、小型ビデオカメラ「Flip Video」はGoProの後釜を狙える可能性があったが、Flip Videoを販売していたCisco Systems*)は突然、同カメラの事業から撤退した。これもGoProの成功を後押ししたといえる。さらに、スカイダイバーのFelix Baumgartner氏がGoProを装着して、成層圏レベルの高高度からスカイダイビングするという、派手なマーケティング活動も功を奏した(関連記事:成層圏から人間がマッハ1.2でスカイダイブ! 耐えろ)。
*)Flip Videoは、もともとは、Ciscoが2009年に買収したPure Digital Technologiesの製品である。
だがおそらく、重要だったのは、GoProが独自の動画コンテンツやYouTubeでビデオを公開することに尽力した点だ。つまり、「Flip Videoが始めたことをGoProが完成させた」のだとDoherty氏は言う。
IHS Technologyの民生/モバイル/IT分野のシニアディレクタを務めるFrancis Sideco氏は、「ソフトウェア技術の面でGoProは際立っている。GoProで撮影した動画は高画質なのはもちろん、無償アプリを使って動画の編集やシェアを簡単に行える。また、端末の価格もユーザーの想定内だった」と分析する。
GoProの成功を指標にするならば、自分たちの製品のユーザーをよく理解しているメーカーがウェアラブル機器市場の成功者となりそうだ。Doherty氏は「GoProはユーザーの声を聞くことで、飽きさせない製品作りを続けている」と述べる。ウェアラブル機器市場に参入するあらゆるメーカーに必要な姿勢ではないだろうか。
【翻訳:青山麻由子、滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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