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Intel、ビッグデータでパーキンソン病に挑むApache HadoopとXeon搭載サーバで

Intelは、マイケル・J・フォックス財団と協力し、パーキンソン病患者の症状をモニタリングしてデータを収集する取り組みを行った。「Apache Hadoop」と「Xeon」搭載サーバを用いた専用のプラットフォームを活用し、患者1人につき、1日で1ギガバイトのデータを集録したという。

» 2014年08月21日 12時06分 公開
[Jessica LipskyEE Times]

 Intelが、パーキンソン病の研究と治療にビッグデータを活用する取り組みを進めている。パーキンソン病を患う俳優のマイケル・J・フォックス氏が設立した「マイケル・J・フォックス財団(Michael J. Fox Foundation:MJFF)」と協力して行っているものだ。症状をモニタリングするウェアラブル機器で収集した患者のデータから、さまざまなパターンを見つけ出すために、専用の分析プラットフォームを使用したという。

 IntelとMJFFは、米国ニューヨーク州のMount Sinai HospitalとイスラエルのTel Aviv Medical Centerの協力を得て研究を進めた。16人のパーキンソン病患者に腕時計型のウェアラブル端末を身に着けてもらい、震えなどの症状をモニタリングしたという。データはウェアラブル端末からスマートフォンに転送される。モニタリングに協力した患者は、病院に行く時も自宅にいる時も、4日間にわたりウェアラブル端末を装着した。

患者1人当たり、1日に1ギガバイトのデータを収集

 IntelのData Center Groupでシニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネジャーを務めるDiane Bryant氏は、「この研究で、毎秒300件の事象データを収集した。患者1人につき、1日で1ギガバイトのデータ量になる。これは、米議会図書館の毎月のデータ量に相当する」と述べた。同氏は、ビッグデータがあらゆる産業、特にヘルスケア分野で重要な役割を果たすと確信している。

 MJFFのCEOであるTodd Sherer氏は、「パーキンソン病には、震えなどの運動症状から、睡眠障害などの非運動症状に至るまでさまざまな症状があるので、データマイニングには大きな機会がある」と述べた。

 研究に用いられたデータプラットフォームには、大規模データの分散処理/管理向けの基盤である「Apache Hadoop」と、Intelの「Xeon」搭載サーバが用いられた。Intelはウェアラブル端末の詳細は明らかにしなかったが、極秘データを保護するための暗号化技術が搭載されていると言及した。

ウェアラブル端末のデータは最終的にクラウド上にアップされ、分析される 出典:Intel/MJFF

 IT業界の調査会社であるPund-ITの主席アナリストCharles King氏は、EE Timesに対し、「今回のMJFFとの取り組みから、ビッグデータやウェアラブル、モノのインターネット(IoT)分野におけるIntelの幅広い戦略が見て取れる。Intelは、2009年に組み込みOSの大手Wind Riverを買収するなど、ソフトウェア/組み込みシステム分野で買収を進めてきた。今後Intelは同分野で重要な役割を果たすに違いない」と語っている。

 IntelのBryant氏とMJFFのSherer氏は、今回の取り組みが成功を収めたと述べた。両氏によると、IntelとMJFFは、今回用いた分析プラットフォームの利用を拡大し、遺伝子研究や臨床試験など、他の分野の研究でも活用することを目指すという。

【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】

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