モノのインターネット(IoT)は引き続き、エレクトロニクス業界の主要なトレンドになる。
注目したいのは、2014年に設立されたIoT向けの標準化団体の動きだ。例えば、インテルやIBM、シスコシステムズらが立ち上げた「Industrial Internet Consortium(IIC)」、インテル、Broadcom、Samsung Electronicsなど6社で構成される「Open Interconnect Consortium(OIC)」、Google傘下のNest LabsやARM、Samsungらが結成した「Thread Group」がある。この他、Qualcommが参画する「AllSeen Alliance」(2013年設立)もある。
2020年までに500億台に上る機器がインターネットに接続されるという予測(シスコシステムズ)もある中、どんな機器同士でもシームレスに通信するための標準規格が必要不可欠になっている。
エレクトロニクス業界にとって、最も重要なアプリケーションとなりつつあるのが自動車分野だ。
その中でも、特に注目されるのは、自律走行する自動運転車の実現に向けた技術開発であり、自律走行の前段階として、運転を補助するADAS(先進運転支援システム)に関連した多くの技術の開発が続く見通しだ。
ADASで重要となるのが、車外の状況をリアルタイムに検知し、処理する技術である。センシング技術としては、ミリ波レーダーやレーザー、イメージセンサーなどがあり、既に市販車に装備されているが、それぞれに技術課題を抱え、改善の余地は大きく残る。ミリ波レーダーなどはコスト面に依然として課題が残り、イメージセンサーは夜間など暗い状況に対応する高感度化などが求められる。
またセンシングしたデータをリアルタイムで確実に伝送する技術や、高度な処理能力を持つプロセッサなど、自動運転の実現に欠かせない技術要素は多く、2015年も自動車に向けた新しいエレクトロニクス技術の登場が予想される。
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