テレビの分野では、まだ有機ELより液晶の方が優勢のようだ。特に2015年は4Kテレビの売れ行きに注目したい。一方で、有機ELではフレキシブルディスプレイへの関心が高い。フレキシブル有機ELディスプレイは、サイズと耐久性が年々着実に上がっている。ウェアラブル機器への応用も期待できる。
量子ドットディスプレイも注目技術の1つだ。米国の市場調査会社であるIHSは、2015年に多くのディスプレイメーカーが注力する要素として「色」と「画質」を上げているとし、同年のトレンドとして量子ドットディスプレイと曲面ディスプレイの融合と予測している。量子ドットを用いれば、より鮮やかな色を再現できる。Appleもこの点に目を付けているのか、同社が量子ドットディスプレイ関連について3件の特許を出願していることが、米国特許商標局(USTPO:United States Patent and Trademark Office)の情報によって明らかになっている。量子ドットは、ソニーのテレビのハイエンド機種やAmazonのタブレット端末「Kindle Fire HDX」に既に採用されている。
DisplaySearch(現在はIHSの一部門)は、2015年に、量子ドットを採用した4Kの液晶テレビが世界で130万台出荷されると予測している。また同社は、量子ドットテレビの出荷台数は、2018年には1870万台に上ると見込んでいる。
変換効率を向上するとして太陽電池にも採用されている量子ドット。ディスプレイ分野での今後が気になるところだ。
目新しい話題ではない(むしろ昔から研究されている)が、特に脳波を使うBrain Machine Interface(BMI)への関心が高まっていて、興味深い研究開発が続きそうな分野である。
近年はセンサーの開発が進み、大きな電極をいくつも頭に装着しなくても脳波が観測できるようになりつつある。感情を脳波で読み取る玩具のような商品も、数年前に既に登場していて、脳波の利用はこれまでよりも身近になっている。
BMIは介護/福祉だけでなく、ロボット制御やスポーツトレーニング、ヒーリング(ストレス緩和)、あるいはマーケティングなど幅広い分野にも応用できると期待されている。日本だけでなく欧米でも研究開発はさかんだが、いずれも実用化のレベルまでは至っていない。医療機器として使うのか、福祉機器として使うのかによって規制/規格が異なるので、そこが障壁になる場合もある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.