2014年における半導体購入額は、Samsung Electronics(サムスン電子)とAppleの両社の合計で579億米ドルに達し、世界全体の17%を占めた。ただし、Samsungの2014年の成長率は、世界半導体市場全体の成長率を下回り、デザインTAM(Total Available Market)の鈍化が明らかになった。
ガートナーは2015年1月21日(米国時間)、2014年における半導体購入額のメーカー別ランキングを発表した。それによると、Samsung Electronics(サムスン電子)とAppleの半導体購入額の合計は579億米ドルと、2013年に比べて39億米ドル増加し、世界全体の17%を占めたという。
半導体購入額ランキングの上位10社の合計は、1256億米ドル。2013年は1148億ドルだった。2014年は、上位10社が世界の半導体消費合計の37%を占めたが、これも2013年の36.4%から拡大している。上位10社の実績は半導体購買市場を上回るペースで推移し、全体の成長率は9.4%となった。
2014年 ランク |
2013年 ランク |
メーカー名 | 2013年 | 2014年 | 成長率 (%) |
市場シェア (%) |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | Samsung Electronics | 30.6 | 32.1 | 5.1 | 9.4 |
2 | 2 | Apple | 23.5 | 25.8 | 9.8 | 7.6 |
3 | 3 | HP | 13.7 | 14.7 | 7.1 | 4.3 |
4 | 4 | Lenovo | 9.5 | 12.8 | 33.9 | 3.8 |
5 | 5 | Dell | 9.1 | 10.3 | 13.2 | 3.0 |
6 | 6 | ソニー | 7.7 | 7.4 | -2.8 | 2.2 |
7 | 9 | Huawei | 4.9 | 6.0 | 21.6 | 1.8 |
8 | 7 | Cisco Systems | 5.6 | 5.8 | 3.1 | 1.7 |
9 | 10 | LG Electronics | 4.7 | 5.5 | 15.9 | 1.6 |
10 | 8 | 東芝 | 5.5 | 5.3 | -4.0 | 1.5 |
その他 | 200.2 | 214.2 | 7.0 | 63.0 | ||
合計 | 315.0 | 339.9 | 7.9 | 100.0 | ||
出典:ガートナー(2015年1月) |
ガートナーのリサーチ主席アナリストである山地正恒氏はリポートの中で「SamsungとAppleはこの4年間、半導体需要のけん引役を担い続けている。ただし、Samsungの2014年の成長率は、世界半導体市場全体の成長率を下回った。スマートフォン市場で苦戦したことと、一部のPC市場から撤退したことが理由として挙げられる」と説明している。
メモリ価格は2013年から安定していて、その結果、2014年は上位10社のうち8社の半導体購入額が増加した。
4位のLenovoは、合併・買収を背景に2014年の半導体購入額が飛躍的に増加し、成長率は33.9%となっている。Huaweiは21.6%の成長率を記録し、2013年の9位から、2014年は7位にランクアップした。
山地氏は、「2014年の電子機器メーカー間の競合環境と半導体需要は安定した推移を示しているが、SamsungのデザインTAMの鈍化はトレンドの大きな変化であるといえる。SamsungとAppleはトップ2のポジションを維持しているが、両社を合わせた成長率は、2014年の半導体市場全体の成長率を下回っている。一方で、LenovoやHuaweiなど中国の電子機器メーカーは半導体購入額が増え、半導体バイヤーとしての重要性は、2014年に飛躍的に高まった」と述べている。「ハードウェアの差別化を図ることが難しくなってきていることから、これからの数年間、特にスマートフォンとタブレット端末のメーカー間における価格競争が激しさを増すことは避けらないだろう。コモディティ化のペースも加速しており、これが中国の電子機器メーカーの急成長を後押ししている」(同氏)。
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