ファウンドリIC市場が好調だ。2014年の売上高は前年比13%増、2015年は同12%増と予測されている。半導体メーカーのファブレス化/ファブライト化が進んでいることが主な要因だ。
半導体の業界団体であるGlobal Semiconductor Alliance(GSA)と米国の市場調査会社であるIC Insightsは、「2014年の世界ファウンドリIC(ファウンドリで製造されたIC)の売上高は、前年比13%増となる479億米ドルに達する」と予測する。同市場の売上高成長率は、2013年は13%、2012年は18%だった。
GSAとIC Insightsは、「2015年のファウンドリICの売上高は、さらに12%増加し537億米ドルに達する見通しだ」と述べている。
IC市場全体のうちファウンドリが製造するICが占める割合は、2004年は21%だったが、2009年には24%に増加した。2014年はこの割合が37%に急増すると予想される。この予測は、ファウンドリIC業界が急成長段階に近づいていることを示している。その背景には、IDM(垂直統合型デバイスメーカー)がファブライト化やファブレス化を進めていることがある。現在、半導体市場に参入する新興企業は、ほぼすべてがファブレス企業である。GSAとIC Insightsは、「2018年には、ファウンドリICは、業界の総IC売上高の46%を占める見通しだ」と述べている。
ファウンドリIC市場は、2013年から2018年にかけて約11%の年平均成長率(CAGR)で成長すると予想される。IC業界全体のほぼ2倍の成長率である。
現在、ウエハー売上高の約88%は、専業ファウンドリが占めている。残る12%は、他の企業に対してファウンドリサービスを提供しているIDMが占める。
専業ファウンドリの売上高は、2013年は前年比15%増だったが、2014年は17%増と予想される。さらに2015年には、前年比13%増となる478億米ドルに達する見通しだ。これとは対照的に、ファウンドリサービスを提供するIDMファウンドリの売上高は、2013年の前年比2%増から、2014年は12%減に転じる見込みだ。2015年は前年比2%増の59億米ドルに回復すると予想される。
専業とIDMを併せたICファウンドリ全体の2014年の設備投資額は、過去最高を記録した2013年から9%増加し、232億米ドルに達する見通しだ。2013年の設備投資額は213億米ドルで、前年からわずか3%の増加にとどまった。2015年は前年比7%増となる248億米ドルに達し、最高記録を更新すると予想される。
専業ファウンドリの工場稼働率は、2012年は88%、2013年は89%だったが、2014年は92%に増加すると予想される。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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