STマイクロエレクトロニクスは、耐圧1200VのSiC(炭化ケイ素)パワーMOSFET「SCT20N120」を発表した。EV/HEV用インバータや太陽光/風力発電システム、スマートグリッド機器といった用途に向ける。
STマイクロエレクトロニクスは2015年2月、耐圧1200VのSiC(炭化ケイ素)パワーMOSFET「SCT20N120」を発表した。すでに量産を開始しており、EV/HEV用インバータや太陽光/風力発電システム、スマートグリッド機器などの用途に向ける。
SCT20N120は、接合部動作温度が最大200℃の範囲で、オン抵抗290mΩ以下を実現している。ターンオフ損失およびゲート電荷の特性も安定しており、全温度範囲において高いスイッチング性能を維持することができる。導通損失やスイッチング損失を低減するとともにリーク電流を極めて小さく抑えることができるため、回路モジュールの放熱設計を簡略化することが可能となる。
SCT20N120は、電力損失を低く抑えたことに加え、同等定格のIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)と比べて、スイッチング周波数を最大3倍に高めることができる。これによって、外付け部品の小型化や軽量化、部材コストを節減することが可能となる。
パッケージは、熱効率の高い独自の「HiP247」を採用した。このパッケージは業界標準の「TO-247」と外形互換性がある。価格は1000個購入時の単価が約8.50米ドルである。
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