今回の研究では、100kHz、3.2V以下の交流電圧を印加した場合、幅1.3μm以下のクラックを自己修復できることが分かったという。配線のインピーダンスは、クラックが生じている時には104Ωオーダーだったが、自己修復後は101Ωオーダーとなった。さらに、柔軟なシリコンゴム基板上での配線の自己修復も、ガラス基板と同様に可能だったという。
フレキシブル機器では、配線にも伸縮性や柔軟性が求められている(関連記事:インクにも柔軟性を、伸縮自在の銀ペースト)。ただし、配線に伸縮性を持たせるには、導電性材料をゴムなどに混ぜたり、金属を湾曲させた形状として伸縮性を持たせたりするといったものが多いという。だが、このように、半ば強引に伸縮性を実現した場合、断線するという問題点がある。さらに、クラックの場所や幅を知ることは難しい。クラックの有無を判断し、自ら修復する金属配線は、「非常に有益な機能」だと早稲田大学は強調している。
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