2015年4月24日に発売される「Apple Watch」。Appleが同年3月9日(米国時間)に行った新製品発表会では、発売日や価格以外に特に目新しい発表はなく、デモも見たことのあるものばかりだった。Apple Watchがスマートウオッチの主流となれるかどうかは、まだ分からない。
Appleのスマートウオッチ「Apple Watch」が、米国や日本で2015年4月24日に発売される。価格は349米ドルから。Appleは、同社のソフトウェア技術をApple Watchに注ぎ込んでいる。だが、ウェアラブル端末市場の主流になれるほど十分なものなのか、それはまだ分からない。
Appleは、2015年3月9日(米国時間)に開催された新製品発表会では、Apple Watchのハードウェア仕様について詳細は明らかにしなかった。モデルは、アルミニウムケースを採用した標準品から、ステンレススチールを使用したミッドレンジ品(549〜1000米ドル)、18金のケースを使用したモデル(1万米ドルから)まで、多数そろえている。
Appleは発表会で、Apple Watchのデモをいくつも行ったが、メール受信機能や通知機能など、どれも見たことのあるものばかりだった。相手のApple Watchに自分の“心拍”を送信する機能も、ほほ笑ましいものではあるが、どうも魅力的ではない。
当然、多くの処理は実際には、発表されたばかりの最新OS「iOS 8.2」搭載の「iPhone」側で行う。つまりApple Watchを使うと、iPhoneの電池が通常よりも早く切れるということだ。Apple Watch自体は、残念なことに18時間しか電池が持たず、毎日充電しなくてはならないだろう。
Apple Watchにはヘルスケア/フィットネス向けの機能が搭載されているが、「Appleは、医療用センサーの搭載をやめた」といううわさは、どうやら本当らしい。医療用センサーが搭載されていないのであれば、“医者が診断に使えるデータ”は取得できないだろう。せいぜい、エクササイズをするときに自分の脈拍などを確認するために使えるくらいだ。
ただ、Appleが医療分野に大きなインパクトを与えたいのは確かだろう。同社は、医療研究者向けにiPhone用SDK(ソフトウェア開発キット)を開発し、間もなくオープンソースとしてリリースする。Appleは、同SDKで開発した5種類のアプリについてデモを行ったが、「将来的には、Apple Watchを個人用の医療プラットフォームとして使いたい」といった話は、一切出なかった。
Apple Watchがスマートウオッチの主流となれるかどうかは、いずれ分かるだろう。初代Apple Watchに飛び付いたユーザーが、魅力的な使い方をリポートしてくれることを楽しみに待つことにする。
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