2013年8月にエルピーダメモリの買収を完了したMicron Technology。同社は、2016年について「一番良い時を迎えようとしている」と述べている。特に、ギガバイトクラスのメモリのニーズが増えてきたモバイル機器市場を勝機と捉えているようだ。
Micron Technologyでプレジデントを務めるMark Adams氏は、同社が2016年にどのような局面を迎えるかについて楽観的である。Adams氏は、「当社は一番良い時を迎えようとしている」と述べた。
米国ニューヨークで2015年5月28日に開催された「Sanford C. Bernstein 31st Annual Conference」のWebキャストの中で、Adams氏は、2015年上期のPC向けDRAM市場は低迷が予想されているにもかかわらず、「Micronは同社の強みを生かして、他の分野でその低迷を補えるような強固な基盤がある」と話している。
Adam氏によると、「業界は全体的に好調である」という。
Adams氏は全体的に市場からの圧力があると認めており、特に低迷するPC市場でその傾向が強いとしている。だが、Micronは、モバイル機器市場同様、エンタープライズおよび自動車市場における好機を背景に、より多様な市場での可能性を見据えているようだ。
Adams氏によると、以前はモバイル機器にギガバイトクラスのDRAMが必要になると考える人はほとんどいなかったという。だが、今やいくつかの機器にギガバイトのメモリが搭載されている。一方で、NAND型フラッシュメモリ市場は安定しつつあるほか、PC DRAM市場が残りの6カ月で上半期より悪くなることはないという。Adams氏は「2015年前半にPC市場がこれほどの不振に陥るとは、当初誰も予想していなかったと思う」と述べた。同氏はDRAM事業が2015年後半にモバイルにシフトすると見込んでいる。
Adams氏は「当社はNANDフラッシュについて非常に楽観的に見ている。モバイル向けNANDフラッシュの成長は、当社にとって驚異的だ」と述べた。
Micronは、NANDフラッシュ分野での主導的な地位を取り戻すための取り組みを続けていく必要があるが、2015年はMicronにとって、そのための重要な年になるという。特に20nmプロセスでの製造に多大な投資を行う。
Adams氏は、多様化しているメモリ市場では、ファームウェアやパッケージング、コントローラなどの要素の重要性が増しつつあるとしている。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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