では次に、「ダイエットやめます」の理由を、ブログの記載事項から探ってみます。
前述した通り、「ダイエットやめます」の記載は少ないです。どれくらい少ないかというと、Google検索結果の全てを調べ切ることができるくらいの数でした(この結果、利用可能なデータは合計31件になりました)。
理由の第1位は、予想通り「食事ストレス」(41%)です。ただ、ちょっと気になるのは、この「食事ストレス」には、2つの意味があるようです。1つは「空腹による苦痛(肉体的ストレス)」と、もう1つは「おいしいものを我慢する苦痛(精神的ストレス)」です。
この2つには、決定的な違いがあり、「人類がダイエットを運命的に失敗する」重要な要因が含まれていると考えられます(「ダイエット−仕組み編」で解説を予定しています)。
さらに、第2位の「どうでもよくなった」もまた、重要な意味を持っていると考えます。これは、私たちが、本能的に「ダイエットなんて『どうでもいい』ものであることを知っている」ことの証明になっていると考えられます(「ダイエット−心理編」で解説を予定しています)。
そして、第4位の「効果なし」というのも重要です。
私たちの身体は、生命の発生から何億年もの月日をかけてチューニングを続けてきた、「超高精度制御システム」です。ひと月やふた月のエネルギー減少(ダイエット)程度では、系(システム)の状態を変化させることができない、究極のロバスト*)システムなのです。
*)ある系が応力や環境の変化といった外乱の影響によって変化することを阻止する内的な仕組みまたは性質
私たちは、ダイエットという行為が、外部からサイバー攻撃して、原子力発電システムをメルトダウンさせるくらいに困難であるということを理解せず、安易にダイエットに挑戦して、そして負け続けていることに気がついていないのです(「ダイエット−システム編」で解説を予定しています)。
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