Lin氏はEE timesに対し、「Xiaomi設立時のビジネスモデルはシンプルなものだった。非常に使い勝手が良く、コストパフォーマンスが極めて高いAndroidベースの製品だけを作ろうとしていた」と語った。
設立して1年半たったころ、Xiaomiは製品ラインアップにスマートTVを加えることを決めた。Xiaomiは、電子書籍リーダーのアプリを手掛けていたDuocanを買収することで、スマートTVを発表している。DuocanのCEOだったChuan Wang氏は、8人目の経営陣としてXiaomiに加わった。Wang氏はチームを率いて、2013年に「Mi TV」と「Mi Box」を開発・発売している。
Duokanの買収はうまくいったが、これは何度も繰り返すことができるビジネスモデルなのだろうか? 答えは簡単だ。「そうとは限らない」である。
Lin氏は、異なる製品分野に移行する中で「手を広げ過ぎたくなかった」とEE timesに語った。「スマートフォンは非常に過酷な競争を強いられる市場だ」(同氏)。
では、どう対応していくつもりなのだろうか。
Lin氏はこの問いに対し、「既に十分な経験を積んだチームを持っている企業や新興企業を見極める必要がある。特定の技術/製品開発について精通した開発チーム(または技術者)を有していることが不可欠だ」と答えている。
Xiaomiは通常、デューデリジェンス(適正価格の評価)を行ってから少額の投資を行い、少数株主となる。Lin氏は、「われわれの投資対象となった企業は、自社株式の大半を保持し続ける。そのため、自社の“運命”に対して、引き続き責任を負うことになる」と説明する。
また同氏は、「当社は、こうした取引を非排他的に行い、極めてオープンかつ正直な姿勢で取り組む。このため、投資対象となる企業が同じ市場の競合企業同士だったとしても、それぞれに投資する場合もあり得る」と主張した。
Lin氏は、「そのいい例として挙げられるのが、米国のウェアラブル関連の新興企業であるMisfitと中国Huamiへの投資ではないだろうか」と述べる。いずれも、リストバンド型スマート機器(スマートバンド)の開発メーカーだ。Xiaomiのフィットネスリストバンド「Mi Band」は、Huamiが開発を手掛けた製品で、中国国内で幅広い人気を得ている。その一方で、Xiaomiは2014年12月に他の中国メーカーと共同でMisfitに4億米ドルの資金を投じている。
Xioamiは、非排他的に取引を行うことにより、機敏かつ柔軟にリスクを分散させているといえる。
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