JALとNTTコミュニケーションズ、東レは、IoTを活用した安全管理システムの実証実験を、那覇空港で開始した。機能繊維素材「hitoe」で作ったウェアを着た作業者からバイタルサインを収集し、遠隔でモニタリングする。これによって、熱中症の防止など暑さ対策を検証する予定だ。
日本航空(以下、JAL)、NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)、東レは、2015年8月17日より、IoTを活用した安全管理システムの共同実証実験を沖縄県那覇空港で開始した。空港での屋外作業者が、安全に働ける環境の整備を目指す。
東レとNTT Comは、両社が共同開発している繊維素材「hitoe」を活用した、作業者安全管理サービスの実用化に取り組んでおり、今回の実証実験はその一環となる。hitoeは、着るだけで心拍数や心電波形などの生体情報を連続的に計測できる衣服などを作ることができるものだ*)。
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実証実験の結果を踏まえて、JALは同システムの導入を検討する。さらに東レは、2015年度中にもサービスの事業化を図る見込みだ。
JALはNTT Comと共同で、hitoeを使ったウェアや、トランスミッタなどを活用し、那覇空港の地上エリアで働く作業者のバイタルデータをリアルタイムで収集して分析する。作業者のバイタルサインを遠隔からモニタリングすることの有用性を検証する予定だ。
まずは、那覇空港のグランドハンドリング業務(荷物の輸送や航空機誘導などの空港地上支援業務)の従事者について、暑さ対策を検証する。その後、他のエリアの空港において、暑さ対策以外の体調管理の検証を進める。例えば、リラックス度、運動強度、消費エネルギーなどを検証するという。
夏の暑さが年々厳しくなっている現在、空港の屋外エリアは、作業者にとって非常に過酷な労働環境となる。作業者の体調管理や安全確保は、熱中症や事故の防止という意味で重要になっている。
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