こうした2つの信頼性向上技術に加え、低消費電力化に向けて、フラッシュメモリ自身で書き換え制御を行う回路「IPEMU*)」技術も試作チップに盛り込んだ。
*)IPEMU:Idling P/E Manegement Unit
BCDプロセス採用デバイスの主な用途である自動車では、アイドリングストップ時などに、フラッシュメモリの書き換えのみを行うというケースが多くある。ただ、フラッシュメモリの書き換えを行う場合でも、フラッシュメモリとともに、メモリ制御を行うCPUやRAMを起動させておく必要があった。
フラッシュメモリ自身で書き換え制御を行うことで、CPUからフラッシュメモリ側に書き換え命令があった後は、CPU/RAMへの電源供給を落とすことができるようになり、システムレベルでの消費電力を大幅に削減できるとする。試作チップによる検証を行った結果、「従来の外付けEEPROMを使ったシステムよりも、アイドリング時のフラッシュ書き換えに要する消費電力を99%削減できた」としている。
ルネサスは、これら高信頼/低消費電力技術を盛り込んだフラッシュメモリを90nm BCDプロセス採用車載向けデバイスへ適用していく方針で「2018〜2019年に量産されるデバイスへの適用を目指したい」としている。
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