Osram(オスラム)が、同社の一般照明事業を中国系コンソーシアムに4億ユーロで売却する。これによってOsramは全体の事業規模が大幅に縮小されるも、半導体事業に注力できるようになる。
戦略的投資家のIDG、中国の照明企業であるMLS、金融投資家のYiwuが参加する中国のコンソーシアムが、Osram(オスラム)の一般照明事業を約4億ユーロ(約450億円)で買収する。同事業は、2016年7月から「Ledvance」(レドバンス)という子会社として展開されてきた。
同コンソーシアムは現金取引以外にも、Osramに対して商標ライセンス契約のロイヤルティーを追加で支払うようになる。両者は、今回の買収により大幅に拡大したセールスや流通ネットワーク、ソーシングへの相乗効果から利益を得ることを期待している。
照明企業のMLSは、中国のLEDベースの消費者製品分野のトップ企業の1つである。同社は今回の買収を通じて、世界照明市場での地位を大幅に高めることを望んでいる。一方、Ledvanceは、中国の成長市場へのアクセスを強化できる見込みだ。
Osramとの協定を基に、Ledvanceは製品レベルでは「Osram」と「Sylvania」というブランド名を引き続き使用する。IP(Intellectual Property)は、同コンソーシアムとLedvanceが世界規模のイノベーションと製品開発を推進し続けられるように明確に配分される。
Osram Lichtの監査役会のバイスチェアマンで、ドイツ・バイエルン州にある労働組合「IG Metall」の議長でもあるMichael Knuth氏は、「この買収はLedvanceの従業員にとって良いニュースだ。コンソーシアムは、労使協議会やIG Metallとの既存の取り決めを維持する方針である。Ledvanceのグローバル本社はドイツのガルヒングにとどまる」と述べた。
Osramは引き続き、LedvanceにLEDチップを供給する戦略的パートナーでありたいと語った。OsramとMLSは戦略的な供給協定で合意している。これにより、MLSはOsramからLEDチップを調達するようになる。
Osramが供給するLEDチップは、マレーシアのクリムに建設される新たな施設で製造されるという。
今回の買収でOsramの事業規模は大きく縮小されることになるが、再び半導体に注力できるようになる。2015年度のOsramの売上高のうち、約40%(およそ20億ユーロに相当)が一般照明事業で占められていた。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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