クアルコム、NXPを300億ドルで買収か:スマホ依存から抜け出したい?
Qualcomm(クアルコム)がNXP Semiconductors(NXPセミコンダクターズ)を300億米ドル(約3兆円)での買収を持ちかけていると、複数のメディアが報じた。
Qualcomm(クアルコム)がNXP Semiconductors(NXPセミコンダクターズ)を300億米ドル(約3兆円)以上で買収する交渉に入っていると、複数のメディアが報じた。これらの報道により、NXPの株価は約15%上昇している。
この買収交渉が成立すれば、半導体業界史上、最大規模のM&Aとなりそうだ。NXPは2015年12月、Freescale Semiconductorとの合併を完了し、時価総額約400億米ドル(約4兆円)の新生NXPが誕生している。
この買収交渉は、Qualcommが、同社の中核事業であるスマートフォン市場の成長が停滞しつつあることを受け、組み込みおよび車載市場への参入を狙う目的があるとみられている。IHS Technologyが発表した2015年の車載用半導体市場の売上高ランキングによると、NXPはシェア14.4%を獲得して首位に立っている。
ある金融アナリストは、この買収は成立する可能性があるとしながらも、「統合や取引の実行の際に多大なリスクを引き起こすだろう」というWall Street Journalの見解を引用した。
Qualcomm、NXPからは、これらの報道に対するコメントは出ていない。
【翻訳、編集:EE Times Japan】
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