今回は、「なぜ7月に飛び込みが多いのか」「なぜ火曜日に飛び込みが減るのか」など、私が仮説立案できなかった6つの疑問に対して、読者の皆さまが寄せてくださった仮説の中から、私のハートにヒットしたものを紹介したいと思います。後半では、小田急線の人身事故に巻き込まれた人々の実際のTwitterを分析してみました。
「世界を『数字』で回してみよう」現在のテーマは「人身事故」。日常的に電車を使っている人なら、1度は怒りを覚えたことがある……というのが本当のところではないでしょうか。今回のシリーズでは、このテーマに思い切って踏み込み、「人身事故」を冷静に分析します。⇒連載バックナンバーはこちらから
本連載について、メールで、簡単なアンケートなどに応じていただける方を募集しております。
こちらのメールアドレス(one-under@kobore.net)に『アンケートに応じます』とだけ書いたメールを送付していただくだけで結構です(お名前、自己紹介などは必要ありません)。ぜひ、よろしくお願い致します。
なお、アンケートにご協力いただいた方には、江端の脱稿直後の(過激なフレーズが残ったまま?の)生原稿を送付させていただくという特典(?)がついております。
現在、私は、EE Time Japanさんからご依頼をいただいて「人工知能」に関する連載を担当しています(連載:Over the AI ――AIの向こう側に)。
2016年10月に掲載した第4回では、"人工知能技術"の1つである(と江端が決めつけた)、ベイズ推定について解説しました。これは以前、NTTデータ数理システム社さんから、ご依頼いただいたときの講演の内容をベースとしています。
講演の後で、ある大学の先生が、私のところに来られて自己紹介をされた後に、言われました。
先生:「江端さんは、今回のご講演で『"モテたいという気持ち"と、"ダイエットを行う"の間に因果関係はない、と結論づけていましたね」
江端:「はい、その通りです。今回のダイエットのアンケート結果からは、私の想像に反する解析結果(計算結果)が出てきましたので、正直、驚いています」
先生:「今回、江端さんが導いたその因果関係は、客観的に真実である、と言い切れるものですか?」
江端:「いえ、客観的に真実である、という証明はできません。別のデータ、別の解析方法を使えば、全く逆の結論(e.g. 「因果関係はある」)が出てくる可能性があります。これはあくまで、江端がかき集めたデータによる、江端の解析手法の結果に基づく、江端の解釈の1つに過ぎません」
先生:「とすると、江端さんが、『今回の解析を行った意義』というのは、何になるのでしょうか」
江端:「1つには、この因果関係について解析している論文も文献も見つけられなかったので、自分で調べるしかなかったということです。そして、もう1つは、『自分をだますこと』、そして、あわよく行けば、『世界をだますこと』ですね(アニメSteins;Gate 第23話「境界面上のシュタインズゲート」)」
というわけで、皆さんも、
―― 江端のこの連載コラムの内容が、「客観的に真実である」
などとは、ゆめゆめ思わないようにご注意ください。
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